第78回天皇賜杯・皇后賜杯全日本選手権大会の第2日目が11月18日、東京都の有明テニスの森公園で行われた。雨の影響で初日から順延された2回戦の残り試合からスタート。女子はショーコートと屋外ハードコートで5回戦までの全85試合が行われた。
上位進出が有力視されていたシード勢にいくつか波乱があった。まず第2シードの高橋乃綾/岩倉彩佳(どんぐり北広島)が3回戦で敗退。前回準優勝の第1シード・鈴木理奈/白﨑ひかる(東京女子体育大)と、第4シードの貝瀬ほのか/渡邉絵美菜(ヨネックス)も、それぞれ8本決めで片野理音/菊地はづき(ヨネックス)、中野舞/久保菜月(東芝姫路)に敗れ、最終日の準々決勝にコマを進めることができなかった。
第3シードの根岸楓英奈/志牟田智美(東芝姫路)や前回8強の小林愛美/𠮷田澪奈(ヨネックス)ら多士済々の顔ぶれが残った中、高校生で唯一ベスト8に勝ち進んだのが、今夏のインターハイチャンピオン・前田梨緒/中谷さくら(須磨学園)だった。
「今日は、大学生のトップレベルの人たちとの対戦だったので、向かっていく気持ちがいつも以上に出せたのが良かったです」(中谷)
「すべての試合を楽しんで、年上の人たちに対しても、自分たちのプレーを貫き通せました」(前田)
そう胸を張った前田/中谷は、初戦の2回戦で高校生対決を制すと、3回戦で社会人を1で下した後、4回戦で濱島怜奈/庄司琴里(國學院大)に1、5回戦で天間美嘉/高橋ひかる(日本体育大)に0と、ともに全日本U-20の大学生ペアをほとんど寄せつけなかった。
ハードコート対策はそれほどできていなかったというが、中谷が「もともと体育館でのプレーが好き」と話したように、スライスやカットストロークを織り交ぜた試合運びの老獪さは、大学生や社会人に勝るとも劣らなかった。
最終日に向けては、中谷が「普通にやって勝てる相手ではないので、リスクを負ってでも攻めていきたい」と語れば、前田は「この後の相手は年上の方ばかりなので、とにかく楽しく、自分たちの得意なことをどんどん出していきたいです」と笑顔で抱負を述べた。
林田リコ/宮下こころ(文大杉並高)以来となる、6年ぶりの高校生チャンピオンへ。前田/中谷の快進撃は最終日へと続く。