今年の「JAPAN GP 2023」は女子8ペアによるトーナメント。クリスマスイブのこの日、中学生、高校生、大学生、社会人と幅広い層の選手が名古屋に終結した。昨年よりもさらにバージョンアップした今大会、ポイント間の音楽やDJが盛り上げるなど、ほかの大会にはない楽しさを観客全員にプレゼントした。
持ち味の異なるペア8ペアがクリスマスイブに名古屋で華麗に舞った!――8ペアによるトーナメント、決勝に進出したのは高橋乃綾/岩倉彩佳(どんぐり北広島)と前田梨緒/中谷さくら(須磨学園)だった。
高橋/岩倉は、初戦で浪岡菜々美/藤城みちる(日本体育大/四国大)をG④―2、準決勝で貝瀬ほのか/渡邉絵美菜(ヨネックス)をG⑤―2で倒し、決勝へ。一方の前田/中谷は初戦で笠井佑樹/久保晴華(ナガセケンコー)をG④―0、準決勝で林田リコ/白﨑ひかる(KSA/東京女子体育大)をG⑤―1で倒して決勝進出を決めた。
インドアシーズンになり、勝てずに悔しい思いをしてきた高橋/岩倉。今大会は「前にいく」ことを徹底し、修正してきた。「何本でも返された」という前田の言葉どおり、高橋/岩倉は集中してローボレーやスマッシュを返球し、一気にG3-0。第4ゲームは前田/中谷がレシーブで攻め、G3-1としたものの、高橋/岩倉は第5ゲームを1-3から前に詰めての岩倉のスマッシュなどで⑤―3。第6ゲームも岩倉、高橋がスマッシュで3-0とし、マッチポイントを握った。4ポイント目、すかさず前田の逆クロスのレシーブを岩倉がポーチボレーをし、G⑤―1で一気に勝負を決め、ジャパングランプリ初代女王の座についた。
「悔しくて悔しくて悔しくて。ここまで前に行けなくて守りに入ってしまっていました」と岩倉。前週の姫路でのドリームマッチで、同じリーグに入った貝瀬/渡邉、前田/中谷に敗れていた高橋/岩倉だったが、1週間後、雪辱を期して、その2ペアを破って頂点に立った。修正力の高さを示した優勝だった。