ルーセントカップ 第64回東京インドア全日本大会が1月14日、東京体育館で行われた。男女とも実業団、大学生、高校生のトップ選手8ペアが出場し、4ペアによる予選リーグ戦(2ブロック)を経て、各ブロック1位、2位によるトーナメントへと進む。
女子は、準決勝でBブロック2位の貝瀬ほのか/渡邉絵美菜(ヨネックス)がAブロック1位の志牟田智美/根岸楓英奈(東芝姫路)をファイナルで下して決勝進出。もう一方の準決勝は、Bブロック1位の高橋乃綾/岩倉彩佳(どんぐり北広島)がAブロック2位の梶尾明日香/古田麻友(ワタキューセイモア)に0で完勝し、決勝へと駒を進めた。
決勝カードの貝瀬/渡邉対高橋/岩倉は、この日の予選リーグ初戦と同じ顔合わせ。そこではファイナルまでもつれる接戦で、高橋/岩倉に軍配が上がっていた。また、貝瀬/渡邉と高橋にとっては、昨年の決勝と同じ対戦相手でもあった。
「1試合ずつ重ねるごとに動けるようになってきた」という渡邉のボレーとスマッシュで、貝瀬/渡邉が幸先よく第1ゲームを先取すると、「初出場で初優勝を狙っていた」と話す岩倉が絶妙なショートクロスやスマッシュを決めて、高橋/岩倉が3ゲームを連取。しかし、貝瀬が力強くダイレクトで叩き込むなど、貝瀬/渡邉が2ゲームを取り返して互いに一歩も譲らなかった。
中盤以降も一進一退の展開が続き、この一戦もファイナルへ。岩倉のスマッシュで先制し、白熱のラリーでは高橋のボレーが炸裂。岩倉のミドルへのリターンエースも見事だった。
マッチポイントでは相手のレシーブを誘い、高橋/岩倉がG⑤-4(⑦-2)で優勝を果たした。岩倉は初優勝。高橋は昨年までの半谷美咲とのペアを含めると4連覇を達成し、通算6度目の頂点に立った。
岩倉は「私たちは2人で前に行くテニス。後ろにいてしまうと弱いので、常に前に前に行って、たとえ抜かれたとしても、泥臭く取ることを意識しました」と胸を張った。高橋も「今回はペアも代わって向かっていく立場でした。(ロビングで抜かれる)上はある程度捨てて、前に行くことだけをお互いに言い合って、それができたのがよかったです」と安堵の表情。今年度から新たにペアを組んだ高橋/岩倉が、これから2人で新たな歴史を紡いでいく。