第69回 全日本インドア選手権大会が1月28日、Asueアリーナ大阪で行われた。実業団、大学生、高校生のトップ選手男女それぞれ12ペアが出場し、3ペアによる7ゲームマッチの予選リーグ(男女各4ブロック)を経て、各ブロック1位が9ゲームマッチによる決勝トーナメントへと進んだ。
男子は船水颯人/上松俊貴(稲門クラブ/NTT西日本)が決勝で内本隆文/内田理久(NTT西日本)をG⑤-0で下し、2連覇を飾った。予選リーグ初戦で安藤優作/安藤圭祐(東邦ガス)にマッチポイントを握られるなど、苦しい戦いを強いられたものの、船水が「2人で負けにくいテニスをしようと話していた」と言う通り、ここ一番という場面では絶対にポイントを許さなかった。
窮地を乗り切った王者は、予選リーグ第2戦、準決勝と試合を重ねるごとに、本来の強さを発揮していく。上松も「準決勝や決勝は徐々にペースを上げられて、決めるべき所で決め切るという個人としての課題もまずまずできたと思います」と納得の表情だった。
これまで何度も好勝負を繰り広げてきた内本/内田に対しては、ゲームカウントこそ一方的だったが、5ゲーム中4ゲームはデュースにもつれる接戦だった。船水も「0で勝ったから僕らが強いというわけではありません。うまく行くこともあれば、行かないこともあるので、あまり一喜一憂しないように、でも、みんなと切磋琢磨しながら結果にはこだわっていきたいです」と、勝ってなお気持ちを引き締めた。
女子は前田梨緒/中谷さくら(須磨学園)が決勝で高橋乃綾/岩倉彩佳(どんぐり北広島)をG⑤-3で破り、大会史上初めて高校生チャンピオンに輝いた。昨年11月の全日本選手権で準優勝するなど、今年度は高校生の枠を超えて一般の大会でも存在感を示してきた。
この日も予選リーグ2連勝で危なげなく決勝トーナメントにコマを進めると、準決勝も2で快勝。高橋/岩倉との決勝はG1-3の1-3と苦しい状況もあったが、中谷が「そのままズルズルいかないように切り替えて、戦い方も雁行陣からダブル後衛に変えた」と語ったように、冷静な試合運びが劇的な逆転勝ちを呼び込んだ。
優勝を決めた後、前田は「インドアは自分たちが好きなサーフェス。その大会で優勝できてうれしいし、これまで2位続きだったので、こういう大きな大会で優勝できてよかったです」と、満面の笑みで中谷と喜びを分かち合った。