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【車いすソフトテニス】多様なゲーム性を秘めた、子どもから大人まで誰もが楽しめる競技に!

さまざまな立場の人々が参加した「車いすソフトテニス」in 茨城県阿見町。参加者たちは、「うまく打てるようになりたい」とどんどんモチベーションが高まっていった様子

 2024年3月2日、茨城県阿見町の茨城県立医療大学で車いすソフトテニスの体験会が行われた。日本連盟スポーツ医科学部会の有志らが中心となって、同大学と同様に阿見町に所在する霞ヶ浦高校ソフトテニス部員、筑波大学ソフトテニス部員や同部出身の先輩たち、そして同部が指導するつくば市の中学生、阿見町教育委員会生涯学習課の職員ら、茨城県内のさまざまな立場の人々が車いすソフトテニスを初体験&見学! 

 小学生、中学生、高校生、大学生、そして大人と幅広い年代の人々が、今回の車いすソフトテニスの体験会に参加した。それぞれに興味津々で会場に集まってきた。

 使用した車いすは、会場となった茨城県立医療大学にある車いすバスケット用の車いす8台。乗り方などのレクチャーを受け、まずはラケットを持たずに車いすに乗ってコート1面を周っていた。続いて、ラケットを持って1本打ち。少しずつ前に動いて1人3本打っていった。

 その後は、ベースライン付近で手投げのボールを横に少し移動して打ってみた。「思うようなところに車いすを移動できない」と車イスを移動させる技術=チェアワークのむずかしさを参加者たちは感じていたようだが、だんだんと慣れていくとラケットにボールを当て、相手コートにボールを飛ばすことができるように。最後は5対5(1チーム、車いすに乗った小学生、中学生、高校生、大学生各1人ずつに立位者1人など)などを行い、年齢やソフトテニス技術のレベルに関係なく、チーム一丸となって楽しいゲームも体験した。

 今回の体験会の様子を見て、硬式テニスの車いすテニスは競技性を追求する傾向もある一方で、車いすソフトテニスの場合はリクリエーション向きという要素も見て取れた。誰もが楽しめるよう、そのつどルールを設定することもできる上、何よりも車いすを使用する人も健常者も誰もが技術レベルに関係なく、楽しめる要素が満載な競技だと感じた。

「まずは普及ですね」と体験会の運営スタッフのリーダー・井田博史氏(茨城県立医療大学)。今回、茨城県阿見町を拠点として体験会が開催されたが、今後、さまざまな地域の人々が体験し、車いすソフトテニスの面白さを味わうことができれば、より魅力的な競技であることが周知されていくはずだ。今回の体験会では、数時間ではあったが、幅広い年齢層の人々が最後にはチームを組んでゲームを行った。参加者たちは車いすソフトテニスの楽しさを存分に味わい、貴重な時間を過ごすことができたのではないだろうか。

※「車いすソフトテニス」の詳細レポートは、4月下旬発売の『ソフトテニス・マガジン』6月号にて。

車いすの乗り方からレクチャー。写真は以前、講習をした経験のある元全日本選手権覇者、塩嵜弘騎氏(和歌山県庁所属/現在、事業構想大学院生)とご家族。塩嵜氏は今回も参加者への指導を担当

会場近くに学校のある霞ヶ浦高校ソフトテニス部からも希望者が参加。チェアワークがむずかしいと話していたが、乗りなれてくると、細かい移動などもこなしていた

取材・文◎八木陽子 写真◎大賀章好
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