優勝すれば、9月に韓国で行われる世界選手権の代表権が与えられるシングルスの日本一を決める今大会で、男子は昨年のアジア大会を制した上松俊貴(NTT西日本)が3連覇を飾り、女子は東北高2年の天間麗奈が初優勝を遂げた。
夏日に接近する暑さのなか、上松は2日間で8試合を勝ち抜き、3度目の頂点に立った。
初日、「いかに競らないで勝つかを考えた」という上松は、狙い通りすべての試合を「1」以下で終えると、翌日は、米川結翔(明治大)、内田理久(NTT西日本)らを連破し、決勝戦へ。もうひとつの山からは、今年からナショナルチーム入りした橋場柊一郎(法政大)を準決勝で下した船水颯人(稲門クラブ)が勝ちあがり、2年連続でダブルスのペア同士の決戦となった。
1ゲームを先制したのは、5年ぶり5回目の優勝をめざす船水。しかし、2ゲームを上松が9-7でもぎとると、船水を前後にしっかり揺さぶるなどした上松の戦略が奏功し、4ゲームを連取して、最後は両手を上げて喜びを示した。
上松は「3連覇できた、世界選手権への出場権をとれたという意味でうれしい」と相好を崩し、「世界選手権を見据えて、いろいろ進化させていきたい」と語った。
高校2年生対決となった女子は、4月の世界選手権代表予選会を制した前川愛生(広島翔洋高)を下し、天間麗奈(東北高)が王座に。全国クラスの個人戦では、「全日本私立高等学校大会で優勝したのが一番いい成績」という天間だが、準々決勝で22年優勝の高橋乃綾(どんぐり北広島)をG④―3で下す大金星をつかむと、黒木夏穂(SHIROYAMAHOTEL kagoshima)との準決勝も突破。決勝戦では、ツイストを有効に使い、落ち着いて優勝メダルを手にした。
表彰式後、「優勝するとか考えてなくて…」と静かに話した天間は、世界選手権の出場についても「何もわからない」とつけ加え、自身のシンデレラストリーを信じられない様子だった。
また、前川と世界選手権代表予選会で優勝した宮前希帆(関西学院大)も2年連連続で3位入賞し、実力を証明した。天間の優勝で日本代表は6人のうち3人が10代となり、日本代表は一気に若返ることになりそうだ。
■男子シングルス
優勝:上松俊貴(NTT西日本)
準優勝:船水颯人(稲門クラブ)
3位:橋場柊一郎(法政大)
3位:内田理久(NTT西日本)
5位:上岡俊介(Up rise)
5位:米川結翔(明治大)
5位:丸山海斗(one team)
5位:広岡宙(広島NTT西日本)
■女子シングルス
優勝:天間麗奈(東北高)
準優勝:前川愛生(広島翔洋高)
3位:黒木夏穂(SHIROYAMAHOTEL kagoshima)
3位:宮前希帆(関西学院大)
5位:本間友里那(神戸松蔭女子学院大)
5位:大野栞(明治大)
5位:高橋乃綾(どんぐり北広島)
5位:那須暁帆(アドマテックス)