第53回ゴーセン杯争奪戦「ハイスクールジャパンカップ2024」が6月20日の開会式を経て、初日の21日に男女シングルストーナメントの準々決勝まで行われた。昨年はインターハイのプレ大会として苫小牧市で開催されたが、今年は例年行われている札幌市の円山庭球場に2年ぶりに戦いの舞台が戻った。
シングルスとダブルスで競われるハイジャパの特長は、大会直前の抽選でトーナメントの組み合わせが決まること。したがって、強豪選手同士が大会序盤で激突することも多い。ただ、頂点を目指すなら、勝ち続けなければいけないことに変わりはない。歴代優勝者を見れば、男子の船水颯人(東北/現・稲門クラブ)や上松俊貴(岡山理大附/現・NTT西日本)、女子の前田梨緒/中谷さくら(須磨学園/現・明治大)など、のちに日本代表として活躍する選手の名前がズラリと並ぶ。
男子は、小山寛晴(尽誠学園)、昼間悠佑(木更津総合)、福田喜大(上宮)、植田璃音(高田商)が4強入りを果たした。なかでも植田対坂口生磨(尽誠学園)の準々決勝は、この日屈指の好カードだった。昨年のインターハイで個人、団体の2冠に輝いた坂口は、今大会の組み合わせが決まった時点で、「植田君との試合がカギになる」と考えていた。
4月に全日本選抜シングルスを制した植田は、初戦こそ2ゲームを失うも、2回戦と3回戦を0で快勝。坂口との一戦は、第2ゲームまで互角だったが、コートを広く使うプレーで第3ゲームから流れをつかんで一気に決着をつけた。
坂口は「植田君には練習試合でしか勝ったことがなかったので、向かっていく気持ちで行こうと思っていたのですが…。相手の方が上でした」と脱帽。悔しさを胸にしまい、2年連続の2冠がかかるインターハイでの雪辱を誓った。
●女子も混戦、新たな才能が4強へ
女子は、7人が出場した全日本U‐17メンバーの全員が準々決勝までに敗退する波乱含みの展開。4強には庭田咲月(埼玉平成)、中谷ももこ(須磨学園)、大和美月(東北)、平林花渚(奈良育英)が残った。
準々決勝で中谷に敗れたものの、天野莉子(和歌山信愛)は存在感を発揮した。3回戦の相手は、5月の全日本シングルスで史上初めて高校生として優勝し、9月の世界選手権日本代表となった天間麗奈(東北)。天野は「ラリーやツイストで得点していく」という自分らしさを発揮して、3ゲームを先取する。そこからファイナルに持ち込まれた点は反省したが、「大事なところでサービスが入った」と最終ゲームを執念でものにした。
明日22日の大会2日目は、午前9時から男女シングルス準決勝~決勝が行われ、その後、男女ダブルス予選リーグが行われる。