TOPICS
大会
2024.06.22

【ハイジャパ】シングルスは植田璃音(高田商業)、大和美月(東北)が混戦を制す! 夏大会の弾みに

第53回ゴーセン杯争奪戦「ハイスクールジャパンカップ2024◎6月21~23日/札幌市円山庭球場

関連キーワード:
女子シングルス優勝の大和美月(東北)

 ハイスクールジャパンカップ2日目の22日は、男女シングルス準決勝と決勝、ダブルスの予選リーグが行われた。男子シングルスは準決勝で、前回準優勝の昼間悠佑(木更津総合)をファイナルの末に下した小山寛晴(尽誠学園)と、福田喜大(上宮)に1で快勝した植田璃音(高田商業)がそれぞれ決勝に駒を進めた。

 尽誠学園対高田商業というライバル校同士の頂上決戦となった決勝。尽誠学園は今大会の男子シングルスで2019年から4連覇を続けており(20年は中止)、小山は「5連覇がかかっていることにプレッシャーがあった」と明かす。対する植田は、「高田商業はハイジャパのシングルスだけ取れていなかったので、初優勝を狙っていた。この大会に懸けていました」と、モチベーションは高かった。

 デュースとなった第1ゲームをスマッシュなどで先取した植田は、今大会のテーマとしていた「妥協なく、1本1本すべてに決断を持って最後までやりきる」という言葉通り、第2、第3ゲームも決断よく着実にポイントを重ねる。小山も「粘ってカウンターで攻める」という持ち味を見せたが、植田は最後まで相手に主導権を渡さなかった。

 4ゲーム連取で優勝を決めた瞬間、全身で喜びを爆発させた植田は、2回戦で敗れた昨年からの1年で「きつい場面で踏ん張り続ける、精神的な体力が成長した」と感じている。ただ、ここが終着地点ではない。

「高田商業が最近は日本一を逃している中で、ここで1つ日本一を取れたのはチームにとって大きなきっかけになると思います。これを逃さず、インターハイや国体でも3年生の期待に応えられるように頑張っていきたいです」
 高田商業の2年生エースは、先輩たちとともに最高の夏を過ごすつもりだ。

男子シングルス優勝の植田璃音(高田商業)

男子シングルス準優勝の小山寛晴(尽誠学園)

●女子は大和美月が地元で凱旋V

 女子シングルスは準決勝の庭田咲月(埼玉平成)戦をファイナル⑬-11で退けた中谷ももこ(須磨学園)と、平林花渚(奈良育英)にG④-1で完勝した大和美月(東北)が決勝に進んだ。「目標がベスト4だった」と話す中谷にとっても、「去年は2回戦負けだったので、1戦1戦頑張っていく」と決めていた大和にとっても、決勝は良い意味で〝想定外〟の舞台だった。

 大和は絶妙なツイストを織り交ぜて相手を前後左右に振る。中谷は強烈なパッシングで何度もノータッチエースを奪う。互いに譲らないまま、ファイナルゲームに突入したが、「ここまで来たら勝ちきりたかった。北海道は地元なので、応援に来てくれた家族の前で優勝したかった」と、大和がスマッシュや多彩なショットで一気に流れをつかみ、勝負を決めた。

 5月の全日本シングルス覇者・天間麗奈と組んだダブルスでも、「予選リーグを勝ち上がって、最終日に残りたい」と語っていた大和。シングルス4強の庭田と篠澤真那(埼玉平成)の難敵に競り勝って、決勝トーナメント進出を決めている。

女子シングルス準優勝の中谷ももこ(須磨学園)

RESULTS
★男子シングルス
優勝 植田璃音(高田商業)
準優勝 小山寛晴(尽誠学園)
3位 昼間悠佑(木更津総合)
3位 福田喜大(上宮)

優勝 植田璃音(高田商業)

準優勝 小山寛晴(尽誠学園)

3位 昼間悠佑(木更津総合)

3位 福田喜大(上宮)

★女子シングルス
優勝 大和美月(東北)
準優勝 中谷ももこ(須磨学園)
3位 平林花渚(奈良育英)
3位 庭田咲月(埼玉平成)

優勝 大和美月(東北)

準優勝 中谷ももこ(須磨学園)

3位 平林花渚(奈良育英)

3位 庭田咲月(埼玉平成)

取材・文◎小野哲史 写真◎井出秀人