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2024.06.23

【ハイジャパ】ダブルスは植田璃音/結城琉衣(高田商業)、前川愛生/塚本七海(広島翔洋)が頂点へ! インターハイへ弾みをつける勝利に

第53回ゴーセン杯争奪戦「ハイスクールジャパンカップ2024◎6月21~23日/札幌市円山庭球場

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ダブルス優勝の4選手。左から塚本七海、前川愛生、植田璃音、結城琉衣

 ハイスクールジャパンカップ最終日の23日は、男女ダブルスの決勝トーナメントが行われた。やや暑さは感じられたものの、時折心地よい風が吹くテニス日和。初日や2日目のシングルスにも出場した選手にとっては、体力や消耗度も勝ち上がる上でのポイントになった。

 男子は、全日本U-17の2年生ペア・南龍之介/竹内慶悟(三重)、昨日のシングルスを制して2冠を目指す植田璃音と結城琉衣の高田商業ペア、準々決勝で強豪・三上柊二/平井啓吾(上宮)を下した高橋憐依/高澤颯(北越)、ダブルフォワードで高い攻撃力を誇る森良輔/川﨑康平(都城商業)が4強に残った。

 準決勝では、植田/結城が南/竹内に先にリードする展開に持ち込み、G④-2で快勝する。もう1つの準決勝は、森/川﨑が高橋/高澤をほとんど寄せつけず1で決着をつけた。

 植田/結城対森/川﨑の決勝。結城は「自分はストロークがあまり得意でないことは分かっている。できるだけ植田君に取ってもらい、できるだけ前に詰めて決める所は決める。厳しい所はつなぐことを意識しました」と、メリハリのあるプレーで対ダブルフォワードに挑んだ。植田は「シングルスも勝ったからには、ダブルスも勝たないといけない。それが高田商業の責任」と、疲労の残る中で懸命に脚を運んだ。ゲームカウント1-1で迎えた第3ゲームでは、切れ味鋭いカットサービスで相手のレシーブを浮かせ、高い打点から叩く3球目攻撃が見事に決まった。

 最後は森のショットが大きくラインを超えて勝負あり。G④-2で植田/結城が優勝を果たした。2年生の植田は大会史上最年少でハイスクールジャパンカップ2冠に輝き、「きつい時に我慢できたのが勝因です」と充実の表情を浮かべた。

チームに勢いを与える勝利だった

●女子は勝負強さの光った塚本/前川が初制覇

 女子はシングルスと同じようにいくつかの有力ペアが早い段階で姿を消していく中、地元・北海道の石垣陽菜/藤岡七星(札幌龍谷学園)、昨日のシングルス8強の安保陽菜子が岩隈彩乃と組んだ中村学園女子ペア、優勝候補の呼び声が高かった前川愛生/塚本七海(広島翔洋)、全日本U-17の大𣘺玲雨/岡美志(三重)が準決勝に勝ち上がった。

 岩隈/安保は、声援の多さでは石垣/藤岡に分があったが、2人のバランスのよい戦い方で完勝。前川/塚本もデュースにもつれた3つのゲームをすべて奪取する勝負強さで、大𣘺/岡を1で下した。

 前川は「昨日のシングルスは1回戦で負けてしまい、ダブルスは優勝したかった」と並々ならぬ決意で岩隈/安保との決勝に挑んでいた。ダブル後衛の前川/塚本に対し、相手は強打が武器の前川ではなく、塚本にボールを集めてくる。それを想定していた塚本は、「ラリーで自分からボールを外に出さないで何回も粘る」ことを意識しつつ、「行ける時は行く」と攻撃的な姿勢も持ち続けた。終始、主導権を渡さなかった前川/塚本が、G④-1で快勝し、広島翔洋勢としては11年ぶりのハイジャパ制覇となった。

女子優勝の前川/塚本

 この大会に出場した多くの選手は、ここで得た収穫や課題を持ち帰り、自分たちを磨き上げて、インターハイの戦いに向かっていくことになる。

RESULTS
★男子ダブルス
優勝 植田璃音/結城琉衣(高田商業)
準優勝 川﨑康平/森良輔(都城商業)
3位 南龍之介/竹内慶悟(三重)
3位 高澤颯/高橋憐依(北越)

男子準優勝の川﨑康平/森良輔(都城商業)

男子3位の南龍之介/竹内慶悟(三重)

男子3位の高澤颯/高橋憐依(北越)

★女子ダブルス
優勝 前川愛生/塚本七海(広島翔洋)
準優勝 安保陽菜子/岩隈彩乃(中村学園女子)
3位 大𣘺玲雨/岡美志(三重)
3位 石垣陽菜/藤岡七星(札幌龍谷学園)

女子準優勝の安保陽菜子/岩隈彩乃(中村学園女子)

女子3位の大𣘺玲雨/岡美志(三重)

女子3位の石垣陽菜/藤岡七星(札幌龍谷学園)

 

 

取材・文◎小野哲史 写真◎井出秀人