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【インハイ2024】男子個人戦、九州の雄・川﨑康平/森良輔(都城商業)がチャンピオンに!

優勝を決め、ベンチに向かって喜びを爆発させた川﨑/森

 2024年北部九州インターハイ、4回戦(32強決め)から始まった男子個人戦2日目。優勝するには6試合を勝ち抜かなければならない。その過酷な2日目の上位ラウンドを制したのは、6月のハイジャパ複2位、そして九州大会二冠を達成した川﨑康平/森良輔(都城商業)だった。

第1シードの尽誠学園・坂口/小山は準々決勝で姿を消す

 準々決勝には、注目の第1シード、尽誠学園の坂口生磨/小山寛晴(尽誠学園)や6月のハイジャパ複優勝・植田璃音/結城琉衣(高田商業)、同準優勝・川﨑康平/森良輔(都城商業)、東北高からは2組、齋藤玲壱/國松樹人と水木洸/松田拳弥らが進出した。その中でもっとも金星といえたのが、ダブルフォワードの東北高2年生ペア・水木/松田で、昨年王者と昨年3位の坂口/小山をG④―2で倒し、準決勝へコマを進めた。

 その水木/松田は、準決勝で同じダブルフォワードの一ノ宮大和/善福留生(霞ヶ浦)と対決。互いに競り合う展開の中でも水木/松田は先にG3-2とするが、第6ゲームを一ノ宮/善福が⑦―5で制し、ファイナルへ。ファイナルでもデュースを繰り返すが、粘り強く食らいついた一ノ宮/善福が⑧―6で決勝へ。

準決勝でハイジャパ決勝のリベンジを果たした川﨑/森が決勝も制し、頂点へ

 もっとも過酷なゾーンに入った植田/結城は、4回戦で難敵・昼間悠佑/竹之内琉汰(木更津総合)、5回戦で内田陽斗/宮田成将(尽誠学園)らを破って加速。「過去一でペアとしての勢いががあった」と植田。しかし、準決勝でその勢いを止めたのが、ハイジャパ決勝で敗れた川﨑/森だった。前回の対戦時はダブルフォワードを中心にしてきた川﨑/森だったが、今回は雁行陣でがっぷり四つに組む。川﨑のストロークが走り、浮いた球を森が仕留め、G④―1でリベンジを果たした。

 決勝のカードは「一ノ宮/善福VS川﨑/森」に。準決勝とは変え、川﨑/森は序盤、ダブルフォワードで応戦。1ゲーム目が終えたところで一ノ宮の足がつるなどのアクシデントもあり、霞ヶ浦ペアも雁行陣のフォーメーションからダブルフォワードになるなど、陣形を場面によりチェンジ。川﨑/森も中盤からは雁行陣へ。互いに様々な陣形を駆使し、ゲームが進んだ。だが、川﨑が力強いストロークで押し込み、守備範囲の広い森がすかさず甘い球を叩き、G3-1。第5ゲーム、一ノ宮/善福が仕掛け、G2-3と1ゲーム挽回したものの、第6ゲームは川﨑/森がさらに厳しいコースを突き、G④―2でインハイ個人を制した。

 相手や場面状況から判断し、陣形を繰り出していく。さらに、各陣形でのプレーの精度も高かった川﨑/森。「あまり僕らのようなペアはいないと思います。それが僕らの武器です」とふたり。高校3年の最後の夏、ふたりで築き上げてきた陣形を使い分ける力がインハイチャンピオンの称号を手繰り寄せた。

「調子がよかった」というストローク。川﨑のストロークは、どんな相手にも打ち負けることはなかった

跳躍力、瞬発力…と運動能力が高い森。川﨑との2人で1本のテニスでチームとして初のインハイVを達成

うれしい決勝進出を果たした一ノ宮決勝で1ゲームを終えて、一ノ宮の足がつるアクシデントに見舞われたが、ふたりで支え合った一ノ宮/善福

準決勝は無念だっただろうが、厳しいゾーンでもスーパーフォローや華麗な切り返し…と観客を魅了するプレーを見せた植田

攻守で力強く、植田を支えた結城。スキがない上、さらに相手の戦意を失わせるような威力抜群なネットプレーで放ち続けた

準決勝はマッチを握りながら生かせず悔しさが残ったが、決定力のあるネットプレーで力強いダブルフォワードを見せた水木/松田

取材・文◎近藤薫 写真◎井出秀人、牛島寿人
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