8月20日に石川県の金沢市営城北市民テニスコートで開幕した「第55回全国中学校大会（全中）」は、競技3日目の22日に男女団体戦の2回戦から決勝までが行われ、男子は清明学園（東京）が3年ぶり３回目、女子は京都光華（京都）が初の優勝を果たした。

　清明学園は、昨日の個人戦を制した野田悠貴／林田遼太郎を軸に、同8強の小沼優希／宇田川成寿も強力。準々決勝で朝日（愛知）、準決勝で姫路ふぁみりークラブ（兵庫）と、いずれも力がある強豪に対し、1本も落とさずに決勝へと駒を進めた。もう一方のヤマからは前々回の覇者で、前回準優勝の上青木（埼玉）が3年連続となる決勝の舞台に勝ち上がった。チームのエースは、昨年の悔しさを知る木原祐翔／奥田向陽だ。

　2面展開で行われた決勝は、清明学園の1番・小沼／宇田川が一気の3ゲームを連取して勢いに乗る。上青木の村田優斗／桐山柊介は2ゲームを奪って意地を見せたが、反撃もそこまでだった。エース対決となった2番は、野田／林田がG3－2から白熱したデュースを制して優勝を決めた。

　小沼は「ペアとは、一緒に組む最後の大会だったので、楽しんで悔いが残らないように頑張ろう、そして、個人ベスト8という結果を自信にして団体戦も挑戦しようと話していました」と話す。林田も「上青木にはこれまで6連敗ぐらいしていた相手でしたが、決勝はみんなで『行けるぞ』という気持ちになれて、対策してきたことをプレーで出せました」と胸を張った。野田と林田は堂々の２冠達成だった。

男子団体優勝の清明学園

男子団体準優勝の上青木

●長丁場の戦いを京都光華が制す

　女子は前回覇者の昇陽（大阪）と京都光華（京都）が、それぞれ準決勝で明豊（大分）と松山（埼玉）を下して決勝に進出。全体的に試合進行が大幅に遅れ、決勝は19時30分、ナイターが点灯された中、3面展開で行われた。

　まず先行したのは昇陽。玉置きらら／土持風華の2年生ペアが細川莉子／林口心晴にストレートで圧勝する。しかし、京都光華も個人戦8強の大星心愛／早藤杏樹がG④－1で藤田杏／山田ゆりに快勝して押し戻す。三番勝負は互いに譲らず、ファイナルでは京都光華の海老原有佳里／坂本日葵が徐々に平松菜月美／中川莉音を突き放して勝負を決めた。

　大星は「先輩の代だった去年は全中に行けなくてすごく悔しかった。その先輩たちが抜けてから、自分たちで頑張ってきて、それが今日報われました。先生や保護者、支えてくれた人たちに恩返しができました」と感謝を口にし、21人の部員全員で喜びを爆発させた。

女子団体準優勝の昇陽