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2024.09.06

【第17回世界選手権・2日目】上松俊貴が歴史を塗り替えた! 男子シングルスで日本初の世界王者に! 船水と前田は5位

第17回世界選手権大会◎9/4~9日/韓国・安城マッチュム・ソフトテニススタジアム

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左から準優勝のパク・キヒュン(韓国)、優勝の上松俊貴(NTT西日本)、3位のキム・テミン(韓国)、張耀中(中国)

 世界選手権2日目の9月5日、男女シングルスの決勝戦が行われ、日本のエース上松俊貴(NTT西日本)が、日本選手で初めて男子シングルスの世界王者に輝いた。男子シングルスの船水颯人(稲門クラブ)、女子シングルスの前田梨緒(明治大)はそれぞれ韓国選手に敗れ、ベスト8だった。

 アジア競技大会3冠の上松が歴史を塗り替えた。1995年の第10回大会に始まった男子シングルスは、韓国がこれまでの7回大会すべての栄冠を手にしてきた。

 しかし上松は、準々決勝から決勝まで顔を合わせた韓国選手すべてを退け、頂点にたどり着いた。

 圧巻は、韓国のエース、キム・テミンとの準決勝。立ち上がりからG2-0と走り、第5ゲームでマッチポイントを握る。しかし、ここはミスが出て、5ゲーム目を献上し、第6ゲーム、キムが勢いづき始めるが、上松は戦略を柔軟に変えて、0-2から逆転勝利。決勝戦は、「大舞台は初めて」というパク・キヒュンにストレート勝ちし、わずか22分の隙のない試合で日本選手初の優勝を成し遂げた。

 勝利の瞬間、両手を上げた上松は、「昨年のアジア競技大会で初めてシングルスで優勝し、そこから1年間、 世界選手権に向けて取り組んできました。やってきた過程も充実していたので、すごくうれしいタイトルです」と喜びを語った。

 また船水は、準々決勝で準優勝したパク・キヒュンにG1-4で敗れている。船水は、敗因について「最後まで相手の球の出どころが見にくくて、予想と違うところにボールが来て、出遅れてしまった」と分析したうえで、「今出せる力はこれぐらいだったのかなと思う。まだチャンスがあるので、悲観的にならず、ダブルスでもまた頑張りたいです」と前を向いていた。

 一方、準優勝したパク・キヒュンは、「バック側に短く打たれた球を対応できたのがよかったのかも。船水選手はすごい方なので勝ててうれしい」と振り返っていた。

上松の優勝は幸先のよいスタートになった

シングルスの第一人者になった

 女子シングルスは、大学1年生の前田が準々決勝に挑んだ。顔を合わせたのは26歳のイ・ミンスン(韓国)。G1-3の2ゲームビハインドから2ゲームを連取し、ファイナルゲームに持ち込むが、最後はバック側にボールを集められ、コントロールを失い、ゲームポイント7-4で敗れた。

 優勝を見据えていた前田は、「まったく納得いかない結果です」と硬い表情で話し、それでも「ミックスダブルスは絶対優勝したい」と気持ちを切り替えていた。

初出場で大きな経験となった前田

★シングルス結果
◎男子
優勝 上松俊貴(NTT西日本)
準優勝 パク・キヒュン(韓国)
3位 張耀中(中国)
3位 キム・テミン(韓国)
5位 船水颯人(稲門クラブ)

◎女子
優勝 イ・ミンソン(韓国)
準優勝 オン・イェージン(韓国)
3位 江旻育(台湾)
3位 付暁晨(中国)
5位 前田梨緒(明治大)
3回戦 天間麗奈(東北高)
3回戦 浪岡菜々美(ナガセケンコー)

取材・文◎鈴木快美 写真◎井出秀人