世界選手権の4日目は、男女ダブルスの決勝戦が行われ、高橋乃綾/久保晴華(どんぐり北広島/ナガセケンコー)が銀メダル、上岡俊介/丸山海斗(Up Rise/one team)は銅メダルを手にした。男子ダブルスの船水颯人/上松俊樹(稲門クラブ/NTT西日本)、女子ダブルスの前川愛生/宮前希帆(広島翔洋高/関西学院大)はベスト8、ワイルドカード出場の小林愛美/𠮷田澪奈(ヨネックス)は3回戦で敗れた。
2019年に行われた前回大会で、半谷美咲(元どんぐり北広島)と女子ダブルスを制した高橋が、今回は久保と組んで決勝へ進出し、銀メダルを獲得した。
栄えある結果だが、優勝だけを見ていた2人の顔に浮かんでいたのは落胆だ。準々決勝と準決勝で韓国ペアを下した日本ペアは、決勝戦でも韓国ペアと当たる。対戦相手は、韓国のエース、ムン・ヘギョン/イム・ハンソルをG⑤―4で下したイ・ミンソン/ファン・ボミンだ。
奪っては奪い返す激しい攻防戦は、ファイナルゲームにもつれ、最後に笑ったのは韓国。女子シングルスを制したイ・ミンソンが絶好調で鋭いシュートで日本のアウトやネットを誘った。ゲームカウントは3-7。試合時間59分の熱戦だった。
目を真っ赤にした久保は、表彰式後、こう語る。
「準々決勝、準決勝と同じように、前に出て勝負する形ができているときはよかったけど、9ゲーム目は決めたいと焦ってミスが出た。(今季で引退する)高橋さんに決勝まで引っ張ってきてもらったので、金メダル取りたかったです」
一方、優勝したイ・ミンスンとファン・ボミンは、「いろんな方の応援が力になりました」と、うれし涙を流していた。
ラストイヤーに奮闘する高橋
昨年アジア大会の経験を生かしている久保
女子ダブルス優勝のイ・ミンスン/ファン・ボミン(韓国)
また、男子ダブルスの丸山海斗の目にも涙が浮かんでいた。こちらは悔し涙だ。優勝した余凱文/郭健群と対戦した準決勝、2ゲームを先行するが、その後、効果的だったロビングが効かなくなると、ダブルフォワード主体の台湾ペアの速射砲を浴び、ファイナルゲームで敗れた。
「勝つことしか考えていなかったので、満足はしてないです」と丸山。ペアの上岡は準決勝を「悔いの残る試合」としながらも、「自分がやってきたことは出し切れた」と思いを明かしていた。
また、船水とのペアで準々決勝に臨み、韓国ペアにG3-⑤で敗れた上松は、「すごく攻め込まれたわけじゃないのに、G3-3のあと、G3-4にされたりと、ゲームでなかなか先行できず、乗りきれない試合になってしまった」と振り返っている。
あと一歩だったが貴重な経験を積んだ上岡。国別対抗に期待
苦しい場面で頼りになる丸山
キャプテンとしてまとめる船水
全種目優勝の可能性がある上松
男子ダブルス優勝の余凱文/郭健群(台湾)。余凱文は2019年大会も優勝していて、2連覇、素晴らしいことでもある
さらに4月の世界選手権の予選会を制して日本代表入りした女子ダブルスの前川/宮前もベスト8。前川は、優勝したイ・ミンソン/ファン・ボミンとの準々決勝について「世界では打つだけでは通用しないんだと分かった。途中でロビングに変えてみたけど、自分のプレーじゃないと思って、また打つプレーに戻したんですけど、それもダメで」と反省の弁を述べていた。
この前川/宮前に3回戦で敗れたのは社会人2年目の小林/𠮷田。「先に勝負したかったけど、先に仕掛けられた。クレーでの練習量の差が出てしまった」と分析したうえで、それでも「いい経験値が増えました」と前を向いていた。
国際大会初出場の前川/宮前も奮闘
ワイルドカードで出場した小林
ワイルドカード出場もダークホース的存在だった𠮷田