「SAGA2024国スポ」のソフトテニス競技は9月24日、佐賀県唐津市の松浦河畔公園庭球場で最終4日目の競技が行われ、少年男子は奈良県が2年ぶり17回目の優勝を果たした。
この日は、昨日勝ち残った4チームによる準決勝からスタート。先に決勝進出を決めたのは、高田商業高単独で臨む奈良だった。同じく都城商業高単独の宮崎県を相手に、1番の小島大輝/結城琉衣がG④-1で快勝。結城はネットプレーだけでなく、絶妙のロビングで相手の背後を突くなど、多彩なプレーを見せ、小島も時折放つパッシングが冴えた。奈良は続くシングルスの植田璃音もインハイ個人の覇者・川﨑康平に対し、立ち上がりから主導権を握り、第3ゲームを落としただけで圧勝した。
もう1つの準決勝は、尽誠学園高校単独の香川県対三重高校単独の三重県。香川は坂口生磨のノータッチのサービスエースで先制すると、小山寛晴も高水準のプレーで存在感を示し、G④-1で力の差を見せつけた。2番の米川雅翔対南龍之介は、序盤は三重の南がペースを握って2ゲームを連取。しかし、米川ももつれた第4ゲームを取って追いつくと、そのまま一気に押しきった。
宮崎が三重を三番勝負で下した3位決定戦の後、香川対奈良の決勝が始まった。春の全国選抜を制した香川と夏のインターハイで5年ぶりに王座に返り咲いた奈良。盟友同士の頂上決戦は、坂口/小山対小島/結城の1番から白熱した。最初にペースを握ったのは、結城の軽快な動きと小島のカットサービスが効果的だった奈良ペア。ただ、坂口/小山も徐々に本来のリズムを取り戻し、G0-2から追いつき、G2-3とされた後も冷静にファイナルに持ち込んだ。最終ゲームも互いが持ち味を発揮してデュースへともつれたが、最後は小島/結城が勝負強さを見せた奈良が先勝する。
続く2番のシングルスは米川対植田。後がない香川は米川が積極的に仕掛けるが、植田は要所でポイントを与えない落ち着きが光った。デュースになった第1、第2ゲームをものにすると、その後も危なげない試合運びで相手を圧倒。ストレート勝ちで、一昨日の成年男子に続き、奈良チームは歓喜の瞬間がもたらされた。
奈良の越智敏晃監督は、「インターハイで優勝させていただきましたが、だからと言って受けるのではなく、もう一回、日本一を目指して頑張ろうと今大会に挑みました。うれしい気持ちとほっとした気持ちがあります」と肩をなでおろした様子。初戦こそ敗れたものの、2回戦以降は1番として切り込み役を担った結城は、「シングルスは植田という絶対的な選手がいるので、勝ってくれる自信がありました。だから自分たちは気負うことなく、思いきって前向きなテニスをやろうと。昨日の準々決勝あたりからギアが上がって、チーム的にもいい雰囲気でできました」と充実の表情だった。