ソフトテニスマガジン・ポータル

【全日本・2日目】上位シード勢が敗れる波乱の展開 高校生の塚本/前川、天間らが活躍! 最終日は初優勝をかけた争いに

昨年3位の古田麻友(ワタキューセイモア)

 第79回天皇賜,杯・皇后賜杯全日本選手権大会の第2日目が11月9日、東京都の有明テニスの森公園で行われた。女子は、屋外ハードコートで32本決めの3回戦から8強決めの5回戦まで、全56試合の熱戦が繰り広げられた。

 中学生で唯一、2回戦を突破した根岸ゆず/高林さくら(秩父第一中)は、3回戦でインターハイ個人戦準優勝の柴田凛/山本萌衣紗(就実高)と対戦。G2-⑤で惜敗したが、高林は「2人でペアを組む最後の試合なので、楽しんでやろうと。いきなり4ゲームを取られてしまいましたが、向かっていく気持ちでやったら2ゲーム取れたので、悔いなく終われました」と充実の表情だった。

 初日の段階で、全日本社会人選手権3位の白﨑ひかる/大友紅実(ヨネックス)や、小松芹奈と組んだ前回5位の片野理音(ヨネックス)が初戦の2回戦で敗退するなど、いくつかの波乱があった。しかし、2日目に入ると、そうした波乱含みの雰囲気がトーナメント全体に波及していく。

 高卒ルーキーの佐藤日香莉と組んだ前回覇者の根岸楓英奈(ともに東芝姫路)は、2日目初戦の3回戦で宮本絢菜/久保田笑心(学法石川高)にファイナルで敗れ、須磨高校3年生だった前回、快進撃で準優勝に輝いた前田梨緒/中谷さくら(明治大)は4回戦で屈した。前田は「向かってくる相手が多いなと感じてはいましたが、そこをやっていかないとわかっていながらプレーで表すことができませんでした」と肩を落とした。

 前回3位の小林愛美/𠮷田澪奈(ヨネックス)も4回戦で柴田/山本にファイナルで敗退。ダブル後衛の柴田/山本は「自分たちの粘りを生かそう」と、小林の強打に臆することなく、しっかりつないで大金星をもぎ取った。

 第3シードまでの3ペアが最終日に残れなかった中、第4シードの全日本社会人選手権覇者、高橋乃綾/岩倉彩佳(どんぐり北広島)は初戦こそややもたついたものの、尻上がりに調子を上げて8強入り。前回3位の古田麻友も原口美咲(ともにワタキューセイモア)とのペアで安定した戦いぶりで勝ち上がり、ベスト8決めとなった5回戦は、中谷/前田を破った赤川友里奈/杉本希(ヨネックス)と壮絶なファイナルを戦って競り勝った。古田は「(5回戦は)自分が動けない状況の場面で、原口が打ちきったり、ロブで走ってくれたりカバーしてくれました」とパートナーの奮闘に感謝し、原口は「コミュニケーションを取ることを意識してプレーしました。優勝を狙って練習してきました」ときっぱり言いきる。

 他にも、9月の世界選手権に日本代表として戦った天間麗奈/宮前希帆 (東北高/関西学院大)や、同じく日本代表でインターハイ王者の前川愛生/塚本七海(広島翔洋)らが最終日に勝ち残った。準々決勝から始まる明日の最終日は、誰が勝っても初優勝の栄冠を手にすることになる。

持ち味が光った原口美咲(ワタキューセイモア)

ラストチャンスをつかみたい高橋乃綾(どんぐり北広島)は最終日にコマを進めた

高橋とのペアで多くの勝利を手にしてきた岩倉彩佳(どんぐり北広島)は最終日へ

4回戦で第1シードの前田/中谷を破った赤川友里奈(ヨネックス)

5回戦で惜敗の杉本希(ヨネックス)

矢野亜日華/岩元愛美(神戸松蔭女子学院大)は5回戦で青松淑佳/西山なつみをG⑤-3で破って8強へ

岩元愛美(神戸松蔭女子学院大)

取材・文◎小野哲史 写真◎菅井真凜
ソフトテニスマガジン・ポータルTOPへ
モバイルバージョンを終了