11月8日~10日、昨年度に続き、今年も東京・有明テニスの森&有明コロシアムで全日本選手権が開催。男女ともに、初日の8日は2回戦(64強決め)まで、2日目の9日は8強決めまでが行われた。最終日に残るため、3試合を勝ち抜かなければならない2日目、男女ともに第1シードが敗れるなどの波乱が起こった。
2日目は初戦の32本決めから熱い試合が目白押しとなった男子。
高校生では、インハイ個人8強の坂口生磨/小山寛晴(尽誠学園)と同3位の植田璃音/結城琉衣(高田商業)が隣のコートで年上ペアに挑んでいった。坂口/小山は松原幹/夏見佳憲(MONOLITH/和歌山県庁)のダブルフォワードに対し、G⑤―0。一方、植田/結城はインカレ個人8強の日本体育大の四位光太/對馬青空とがっぷり四つに組んで息詰まるラリーを展開したものの、G2-3から2ゲーム連取され、G2-⑤で涙をのんだ。坂口/小山は最終日残りをかけた8強決めまで進んだが、安藤優作/安藤圭祐(東邦ガス)G2―4とされながらもG3―4と食らいついたが、最後は振りきられG3-⑤で屈した。インハイ個人チャンプの川崎康平/森良輔(都城商業)も32本決めで東京ガスの松本倫旺/中村日紀とのファイナルを制し、しぶとく8強決めまで進んだものの、最後は前回3位の内本隆文/内田理久(NTT西日本)にG1-⑤で屈した。
大学生では、インカレ個人Vの橋場柊一郎/菊山太陽(法政大)、前回3位の矢野颯人と端山羅行(早稲田大)、前回8強の片岡暁紀/黒坂卓矢(日本体育大)が最終日へコマを進めた。橋場/菊山は8強決めでインカレ個人決勝の相手、浅見竣一朗/安達宣(早稲田大)との再戦となったが、G⑤―0。片岡/黒坂もまた同じ学連の米川結翔/上田泰大(明治大)と対戦し、ゲームを与えず、2年連続での8強入りを決めた。矢野/端山は8強決めで、塩田顯/松本炎(京都第二赤十字病院/ワタキューセイモア)にG4-2からファイナルに追いつかれたが、ファイナル⑦―3で振りきって最終日へ。
社会人もまた2日目の初戦、東邦ガスの仲川晴智/大友駿と福井県庁の品川貴紀/早川和宏はファイナルの競り合いとなり、品川/早川が4-6から追いついて⑧―6での紙一重の差での勝利をもぎ取るなど、生き残りをかけた激闘が演じられた。
シード勢では第1シード、昨年の覇者・広岡宙/長江光一が16本決めで國學院大の黒須柾暉/飯田航仁にファイナルの末に敗れる波乱が起こった。G2-4から貫禄でファイナルに追いついたが、「相手は強いので飲まれないよう、何ゲームでも取ってやるという気持ちで向かっていった」と黒須。がむしゃらに攻めてくる学生の前に、ディフェンディングチャンピオンはファイナル④―7で涙をのんだ。だが、その大金星を挙げた黒須/飯田は続く8強決めで、ワタキューセイモアの山本貴大/川﨑浩希に2で敗れた。「1ゲーム目はダブルフォワードで奪取したのですが、上を攻められて対応できず、雁行陣に戻したものの、一気に4ゲーム奪われて…」と飯田。その結果、G2-⑤で8強入りを逃した。
24年世界選手権日本代表組では、上岡俊介/丸山海斗(Up Rise/one team)が16強決めで東京ガスの西田駿人/山下真央にG1-4とされたが、その後、ギアを入れ一気に4ゲーム連取。続く8強決めでは前回8強のダブルフォワード・村上雄人/丸中大明(NTT西日本)を3で振りきった。前回準優勝、ペアとして3度の天皇杯王者となっている船水颯人/上松俊貴(稲門クラブ/NTT西日本)は32本決めこそ戸田佳惟斗/丸山章(ヨシザワ)に3ゲーム奪われたものの、それ以外の対戦では初戦から8強決めまでG⑤―0で準々決勝を決めた。
2024年の日本一が決まる最終日、どのような激闘が見られるのか。しびれるような好勝負を期待したい!
【準々決勝の対戦】
■山本貴大/川﨑浩希(ワタキューセイモア)vs安藤優作/安藤圭祐(東邦ガス)
■橋場柊一郎/菊山太陽(法政大)vs内本隆文/内田理久(NTT西日本)
■上岡俊介/丸山海斗(Up Rise/one team)vs矢野颯人/端山羅行(早稲田大)
■片岡暁紀/黒坂卓矢(日本体育大)vs船水颯人/上松俊貴(稲門クラブ/NTT西日本)