【東京インドア2025】内本隆文/内田理久が初制覇!NTT西日本の同士討ち決勝。2位には広岡宙/長江光一
ルーセントカップ 第65回東京インドア全日本大会◎1月19日/東京体育館
2025年の幕開けを告げる東京インドアが今年で65回目を迎えた。男子では社会人4ペア、学生4ペアの8ペアが参戦し、予選リーグ12試合中7試合がファイナルとなる大熱戦を展開。決勝はNTT西日本による同士討ちとなり、24年度全日本選手権準優勝の内本隆文/内田理久が23年度全日本選手権Vの広岡宙/長江光一をファイナルの末に倒し、初タイトルを奪取した。
4ペアずつA・Bブロックに分かれた予選リーグ。Aブロックからは3戦全勝の広岡宙/長江光一(NTT西日本)が1位通過、広岡/長江にファイナル負けを喫したが2勝1敗で2位となった矢野颯人/端山羅行(早稲田大)が準決勝進出。3位・本倉健太郎/上松俊貴(NTT西日本)、4位・片岡暁紀/黒坂卓矢(日本体育大)と続いた。
Bブロックでは内本隆文/内田理久(NTT西日本)、浅見竣一朗/安達宣(早稲田大)が2勝1敗で並んだものの、対戦により内本/内田がブロック1位、浅見/安達が2位となり準決勝へコマを進めた。3位にはファイナル2試合をものにできず1勝2敗にとどまった上岡俊介/丸山海斗(Up Rise/one team)、内本/内田をファイナルで破った1勝のみとなった橋場柊一郎/菊山太陽(法政大)が4位となった。
準決勝は広岡/長江VS浅見/安達、矢野/端山VS内本/内田のカードに。
大学1年ペアながらインカレ個人2位となった浅見/安達は、今大会では上岡/丸山からファイナルで白星を奪うなどして予選リーグを突破し、初出場ながら準決勝に勝ち上がった。広岡/長江のダブルフォワードを崩すため、狭いスペースを狙ったり、果敢なポーチにいったり、チャレンジャーとして挑んでいったが、1ゲーム奪取するにとどまった。ただ、「大人の選手に1回でも勝ちたいと思って準備してきた」(安達)ものを随所に発揮し、貴重な経験ができた。今回得た「課題」も「手ごたえ」も次への糧となりそうだ。
もう一方の矢野/端山と内本/内田の一戦は、キレのいい動きと勢いある打球を武器に、大学4年ペアの矢野/端山が一気にG4-1とリードを広げた。しかし、内本/内田はG2-4で迎えた第7ゲーム、3度マッチを握られながらもあと1ポイントを渡さなかった。ミスを誘うコースや速さ、高さにボールをコントロールし、ちょっとした動きで相手を惑わし、土壇場でも相手との駆け引きに冴えていた。その後、ファイナル⑦―4とし、内本/内田はしぶとく決勝進出を決めた。
NTT西日本同士の決勝。互いにサービスゲームを奪取しながらG2オールまで進んだ。だが、第5ゲームは内本/内田が鋭角へのレシーブで相手陣形を崩し、G3-2。第6ゲームも内本/内田が奪取し、王手をかけた。だが、手の内を知り尽くしたペア同士、第7、第8ゲームは広岡、長江が要所で勢いのいいボレーを決め、ファイナルに持ち込んだ。
ファイナルにされた内本/内田だったが、内本の厳しく絞ったクロスへの一打で崩し、内田がボレーで仕留めて4-2、連続のナイスフォローで相手にプレッシャーをかけてスマッシュミスを誘って5-2とする。だが、執念を見せた広岡/長江も5オールに追いつく。 互いに譲らず、激しい競り合いとなったが、11ポイント目、マッチポイントと内田がカットサービスからガーッと前に出てボレーで叩き、内本/内田は⑦―5で一気に勝負を決めた。
内本/内田は昨秋の全日本選手権決勝で船水颯人/上松俊貴(稲門クラブ/NTT西日本)に紙一重の差で敗れてタイトルを逃した。だが、今回の優勝では「勝負どころでのプレーの精度の高さや駆け引きの巧み」(準決勝の相手・矢野)で相手を上回り、競り合いを制して優勝を飾った。
「いろいろなことを試しながら、次の全日本インドアに繋がるプレーがしたいと思って、それを体現した結果が優勝で素直にうれしいです」(内田)
「昨年は西日本選手権以降、コンスタントに上位進出はしてもタイトルは獲れず、自分自身の自信にもつながらなかったのですが、今回は勝ちきることができ、よかったです」(内本)
内本/内田は実力通りの力を発揮し、2025年早々の戦いでタイトル奪取。ここからさらに加速し、新たなシーズンへと力強い一歩を踏み出した。