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2025.02.19

【東京インドア2025】次世代を担う選手たちにミニインタビュー。⑦宮前希帆(ワタキューセイモア)

ルーセントカップ 第65回東京インドア◎1月19日/東京体育館

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無駄のない動きには定評がある宮前

 今年も、日本を代表する男女8ペア(16名)が集結し、第65回ルーセントカップ 全日本大会(東京インドア)が開催され、熱戦が繰り広げられた。その中でも、将来日本ソフトテニス界を牽引するであろう、若手選手に着目し、今大会で感じたこと、さらには全国の中学生へ向けてメッセージをもらった。

⑦宮前希帆(ワタキューセイモア)選手の場合
――大会を振り返ってください。
宮前 今大会ずっと入りが悪かったです。これが新たな課題としての収穫面。皇后杯の時は、気持ちもプレーもノッていたので、何も考えなくても上手くプレーが合っていました。調子が良かったということなのかもしれないですが、今回は、そうではなかったので、前回と違って考えながら1本1本試合を組み立てていきました。そういう中で、自分たちのこういうプレーが生きるという発見もあったし、逆にここが穴だなという部分もたくさん見つかったので、すごい収穫がありました。
――印象に残った試合はありますか。
宮前 前田/中谷ペアとの対戦が、リーグを抜ける山だと思っていたので、ここは勝たなきゃと思ってやっていました。
――中学生へのメッセージを。
宮前 やっぱり『楽しんでやる』というのが、一番上達するのが早いと思うので、例えば、上手い選手を見て「あ、このプレー自分にもできそう!」と思ったら、次の練習でもやってみる。漠然と誰かに憧れるのではなく、「一個のプレー」に着目して、挑戦していくと、自分はこれができる、まだできないというのを徐々に発見していくというのも、こういうところ(観戦)に来る楽しさだと思います。私自身も、「この選手のこのプレーいいな…」という目で見てやってきたので、たくさんの一つのプレーを見て勉強してほしい。そういう気持ちがあると、普段の1本打ちや単調な基本的な練習でも今日はあれをやろう…とか、いつもより一つ工夫してみようと思えるので、より集中して楽しくなるし、結果、上達スピードが上がると思います。
――今後の抱負を。
宮前 試合や大会に関しては、私の場合、あまり先を見ずに、どの大会でも、目の前の1勝、「この試合を頑張る」という、『積み重ねの精神』で、これからもやっていけたらよいなと思っています。

※終始落ち着いた感じで、一つひとつの質問に悩むことなく、自分の意見を答えてくれた。今大会は、調子が良かった皇后杯と違い、初戦の入りから苦労していたようだが、それでも自分に何が起きているのかを冷静に分析し、大会の中で対策を講じていくことで、尻上に調子が良くなっていった。何度も危ない場面を乗り越えて、終わってみれば準優勝という結果を残せるところに、宮前選手の調整力や類まれなるメンタリティー、そして勝負強さを感じた。「とにかく私はソフトテニスが好きなんですよ!」という言葉に「楽しみながら強くなる!」という、彼女のセオリーにも説得力を感じる。

 

取材・文◎N石コーチ 写真◎菅原淳