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【JAPAN GP 2025】高橋乃綾/岩倉彩佳、V2達成! 高橋は引退前の最後の個人戦を勝利で終える

自身のボレーで2連覇を決めた高橋

 JAPAN GP 2025が2月24日、名古屋市のドルフィンズアリーナで開催。今年は2024年から韓国でプレーする林田リコ(淳昌郡庁)がナガセケンコーの久保晴華と組んで参戦、そのほか選りすぐえりの中学生、高校生、大学生、社会人のトップ選手が集結した。決勝は前回覇者の高橋乃綾/岩倉彩佳(どんぐり北広島)と広島翔洋の前川愛生/塚本七海が激突。ファイナルの末、今大会が現役最後の個人戦となる高橋と岩倉のペアが、高2ペアを振りきって、2大会連続で優勝を決めた。

 8ペアによるトーナメントが展開され、4強に残ったのは、前川愛生/塚本七海(広島翔洋)、庄司琴里/高嶺心萌(國學院大)、前田梨緒/中谷さくら(明治大)、高橋乃綾/岩倉彩佳(どんぐり北広島)。

 準決勝1試合目は24年度全日本選手権3位の前川/塚本vs前回2位の前田/中谷が対戦。すさまじいシュートボールの応酬から機を見てのツイストで相手陣形を崩していくものの、「お互いになかなか決まらない中での駆け引き」(中谷)を繰り広げ、好ラリーを連発。序盤は前田/中谷がG3-1でリード。しかし、ここから高2ペアの前川/塚本が粘ってじりじりと追い上げ、G1-3からG4-3と逆転。しかし、第8ゲームでは前田/中谷も譲らず、4オールから7オールと大接戦。最後はマッチを握った前川が前に出されながらもストレートパスを決めて、逆転勝ちを収めて決勝へ。

 もう1つの準決勝は、初戦で林田リコ/久保晴華(淳昌郡庁/ナガセケンコー)から貴重な白星を奪った庄司/高嶺がディフェンディング・チャンピオンの高橋/岩倉に挑んだ。だが、攻撃型並行陣の高橋/岩倉にはさまざまな攻撃パターンがあり、「カットを返すのが難しい上、前に詰めてこられ、自分たちがいっぱいいっぱいになってしまった」と高嶺。高橋/岩倉に自分たちのテニスを封じられ、準決勝で力尽きた。

 決勝は序盤から、前に出て空中戦でも攻撃を仕掛ける高橋/岩倉と、ミスなくストロークで押し込み、機を見てツイストやカウンターでポイントを重ねる前川/塚本のそれぞれの持ち味が発揮されたが、先にG4-2としたのは前川/塚本だった。

「G2-4となりましたが、このままでは試合が終わってしまう。振り切ってやりきろうと思いました」と岩倉。

 第7、第8ゲームを戦況や相手の動きを見極めながらゲームを進めた高橋/岩倉がファイナルに持ち込み、第9ゲームへ。ファイナルでは互いに譲らず5オールまでもつれたものの、11ポイント目で高橋、岩倉が厳しいコースを攻められながらも必死にフォローをし、相手のバックアウトを誘う。土壇場でのこの執念は次のマッチポイントにもつながり、最後は高橋がボレーで勝利を決めた。

 現役最後の個人戦だった今大会。「初戦は緊張しましたが、2試合目(準決勝)からは楽しんでできました」と高橋。2年間、ペアを組んだ岩倉もパートナーとの最後の個人戦での勝利に安堵した様子だった。ライバルであり、仲間でもある選手たちと、多くの観客に見届けられて、高橋は最後の個人戦を勝ちきった。

オールラウンダーとしての力に磨きをかけ、大会のたびに頼もしくなっていく岩倉

ストロークもスマッシュも鋭く差し込んでいく打球でポイント力の高い前川

テンポよくシュートとロビングを繰り出し、多くの年上選手たちを翻弄した塚本

3位には学生の前田/中谷、庄司/高嶺が入った

取材・文◎八木陽子 写真◎川口洋邦
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