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優勝した嬉野(佐賀)

 3月2日、熊本県総合体育館にて、「KUMAGAKU CUP 2025」が開催された。これは、熊本学園大主催で、九州から全日本高校選抜に出場する男子の学校(大分高を除く)が参加した。大会には、熊本学園大A、B、そして来年熊本学園大に進学する選手も参加し、計8チームが4チームによる総当たり戦後、順位決定戦で優勝を争った。決勝戦は嬉野(佐賀)が鹿児島商業(鹿児島)を②-1で下して、優勝。

 予選リーグでは九州新人を制した都城商業(宮崎)を②-1で勝利し勢いを見せた嬉野。九州新人からの成長度合いも高く、経過ではあるが、本番までまだまだ成長を感じさせる。大島樹監督は大会後に勝因を「九州新人からペアを変えたりして、全選手にさまざまな経験をさせて、いろいろと気づきを与えました。そして何よりフォロー力を上げるために冬の間は走り込みをして、フィジカル面の強化を徹底。後衛も(インドアなら)ボールを拾うためのフォロー力の強化、前衛も後方まで深くまでボールを追わなければいけない。その点が見られたのではないかと思います。初戦から難しい相手ですが勝ち上がってまずは初のベスト8入賞を狙いたい」と振り返り、選抜での期待感を話した。また、決定戦の三番勝負を決めた前衛の上岩に対しては「ずっとメンバー外だったが今大会に向けた校内戦を勝ち上がってチームに勢いをつけてくれた」と労った。

 一方、九州新人を5位で突破し、Aパートを全勝して、最終的には準優勝した鹿児島商業。この日のチームのまとめ役としてチームを見ていた俣江啓二は「練習中の声出しなどの雰囲気作りから始めてきました。メンバー外も試合に出るつもりでそれぞれ努力をし、選抜では優勝を狙って頑張っていきたいです」と話した。

 また、九州新人では優勝ながらも今大会3位となった都城商業。「まだまだチームの一体感というか、選抜に向けて、『団体日本一を取りに行く。勝ちに行く』って気持ちが感じられなくて、帰ってまたチーム全体でミーティングをして、もっと自分が練習の中でポジティブな発言をして『全員で日本一を獲る』という気持ちを残りの期間で作っていきたい」と悔しさをにじませ話したのは田中涼介主将。

 また、4位の文徳の外田主将は「ゲームポイントやマッチポイントをしっかりと決めきれなかったことが反省点です。選抜まで残り1カ月ないくらいですが自分たちのいろんなパターンをもっと作っていって、その自信を選抜では出していきたい」と今大会で得られた課題を話した。

 それぞれのチームが九州新人からの成長を感じさせ、大会を通して課題を見つけた今大会。『九州から日本一を』一昨年はハイジャパ、昨年はインターハイで披露したが、いよいよ春の成果が試される選抜まで残りもう少し。和歌山でどう表現するか。楽しみは膨らむ。

優勝 嬉野
準優勝 鹿児島商業
3位 都城商業
4位 文徳

_1番に出て勢いをつけた山口柊(嬉野)

上岩とペアを組み何本でも繋ぎ相手の攻撃を何本もシャットアウトした一番に出て勢いをつけた田中悠磨(嬉野)

優勝を決めた上岩結都(嬉野)

前週行われた鹿児島県春季大会でハイジャパ予選ダブルスを優勝した萩原(鹿児島商業)

大いなポテンシャルを秘め選抜でも爆発力に期待を抱かせる松尾航希(嬉野)

_悔しさをにじませた都城商業の田中主将。ただ3番に精神的支柱の彼がいることが大きい

文徳の外田主将は「選抜までの課題をいかに修正するかが鍵」と話した

KUMAGAKU CUP 2025参加者

文と写真◎後藤優太
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