3月27日、三重県伊勢市で都道府県対抗全中が開幕した。初日は女子が対抗戦、男子は個人戦(ダブルス、シングルス)を戦ったが、すべて5ゲームマッチで行われた。そして、女子の対抗戦を制したのは福島県、初優勝だった。
決勝戦は千葉県の平野亜樹/堂上紗萊が相手の良さを出させないテニスで先勝する。福島県の大武夢菜/大武姫菜と千葉県の相生麻緒/堀江心花の試合は大武姉妹が主導権を奪っているかに思われたが、相生ペアが粘りのテニスで食らいつきファイナルへ。最後まで行方が見えない戦いは⑦-5で大武姉妹が勝利して三番勝負に持ち込む。
3番で登場した福島県の吉田唯杏/近内汐里と千葉県の北見莉子/椎名梨香子の戦いは吉田ペアが2-1でマッチポイントを握るものの、北見ペアが持ち前の粘りを発揮してファイナルへ。最後は吉田の中ロブ、強打などのコンビネーションが素晴らしく、G⑦-4で福島県が押しきった。
「1回戦の②-1以降、すべて②―0で出番がなかったので、吉田/近内はうずうずしていたと思います。最後までいい準備をしてくれました」と福島県の高橋優太監督。「練習試合で負けていたから、今回は勝ちたい気持ちが強かったです」と話したのは吉田。
福島県は大武姉妹という軸を中心に、どの選手たちも攻める気持ちを常に持っていたから、初の栄冠を呼び込んだのだろう。大会にふさわしいチャンピオンだった。
準優勝の千葉県。2人で一本のお手本のようなチームワークを見せた。価値ある2位で、今後のテニス人生に生きてくるような経験だったはず
文◎福田達 写真◎井出秀人