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2025.04.06

【女子選抜・男子選抜シングルス】女子の浪岡菜々美(ナガセケンコー)は2連覇! 男子は15歳の塚本光琉(岡崎城西高)が初V!

第70回全日本女子選抜・第9回全日本男子選抜大会◎4月5、6日/有明テニスの森

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V2達成の浪岡。今年も容易ではなかったが、しっかりと相手を見据え、地に足をつけた戦い方で優勝を手繰り寄せた

 桜の花が満開を迎えた東京。第70回全日本女子選抜大会&第9回全日本男子選抜大会が4月5、6日の2日間にわたって有明テニスの森で開催された。シングルスは男女ともに6選手ずつがエントリー。初日は、3選手ずつ2つのブロックに分かれて予選リーグを行った。2日目にはリーグ1位同士が決勝を戦い、男子シングルスでは、岡崎城西高校に入学したばかりの15歳、塚本光琉が頂点に立った。女子では、前回覇者の浪岡菜々美がV2を達成した。

▼女子シングルス
 前回女王の浪岡菜々美と明治大新4年の青松淑佳が決勝にコマを進めた。

 試合序盤、青松は厳しいコースを狙いながらもわずかにラインを割ってしまう。浪岡が盤石なプレーでG2-0。だが、「悪くはなかったのですが、ボール1個ズレるなどしたところ、調整するのが遅かったです」と話していた青松だったが、3ゲーム目以降はバックハンドが鋭く突き刺すなどし、ラリーの主導権を握る場面も見られ、1ゲーム挽回。ゲームの流れが変わるかと思われたが、浪岡は動じなかった。第4ゲームはレシーブをネット前に落とし、続くポイントではバックストロークでストレートパスを見せるなどしてG3-1とさらにリードを広げた。

 だが、第5ゲームは互いに譲らず、デュースを続け5オール。青松がレシーブ&ボレーを決めるなどし、再び1ゲーム挽回。だが、第6ゲームで浪岡はバックストロークをネットイン、ツイストを決めるなど、立て続けにポイントを連取し、青松に流れを渡さない。結局、第6ゲームを浪岡は④―2で奪い、2年連続で優勝を飾った。
 
「前回、優勝できたことは自信にはなったのですが、その後、シングルスで結果が残せず。STリーグでシングルスを任される中で練習を重ね、一戦一戦戦っていく中で立て直しながら6勝1敗という結果を残せたことが大きかったです」と浪岡。

 自信を失いそうになりながらも、目の前のことに貪欲に取り組んだことでしっかりと成長の軌跡を残すことができた。「全日本シングルスに向け、国際大会の代表権も視野に入れて頑張っていきたいと思います」と、あらためて心に誓った浪岡だった。

鋭くコンパクトなスイングで広角に放たれるバックハンドが大きな武器となり、ラリーの主導権を握っていった青松

▼男子シングルス
 決勝の舞台に上がってきたのは、前回優勝の植田璃音(高田商業高)をファイナルで倒すなどした清水駿(同志社大)と、23年度・24年度の都道府県全中の個人戦シングルスを連覇するなどした塚本光琉(岡崎城西高)だった。

 序盤から清水がバックカットなど揺さぶりをかけていったが、「ハードコートではいつもと違い、あと一歩足が行ききらなかった」と清水。わずかにネットの白帯に当たるなど、仕掛けが得点につながらず。一方、「僕はほかの選手の人よりもパワーがない分、カットなどでつなげ、有効打にしていこうと」と塚本。G2-0から1ゲーム奪われたものの、G④―1で勝利し、高校に入学したばかりの15歳が頂点に立った。

 シングルスでは、都道府県全中の連覇に加え、ジュニアジャパンカップ単U-17優勝、世界選手権単U-15優勝など華々しい戦績を残す塚本。「ダブルスでももっと結果を出したい」「学年関係なく、活躍していきたい」……と多くの目標を持ち、しっかりと前を見据えている。

粘りどころと攻めどころのメリハリよく、戦いきった高校1年になったばかりの塚本。昨年覇者の植田は高校2年での優勝だったが、さらに最年少記録を塗り替えた

高レベルなストローク技術を持ち合わせる清水。今大会でも自在に回転を変え、カットストロークで相手を翻弄した

 

取材◎八木陽子 写真◎井出秀人