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プレー&コラム
2017.06.13

【貝瀬×吉田】試合では課題を持ち、自分の限界に挑む。それがうまくいくと、いいプレーができる#03(全4回)

WEB連載シリーズ『高校王者たちに聞く、勝つために必要なこと』◎ヨネックス新人対談

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高2のインハイで貝瀬(左)は優勝、吉田は3位。和歌山信愛と昇陽は準決勝で対戦し、直接対決はなかったが、貝瀬たちが勝利

高校シーンでトップに上り詰めた選手たちに『勝つために必要なこと』を聞くWEB連載シリーズ第2弾は、ヨネックスの同期スーパールーキー、貝瀬ほのか(和歌山信愛高卒)と吉田栞里(昇陽高卒)が登場。

小学校から全国の舞台で戦ってきた貝瀬と吉田。お互いの存在を強く意識していたという2人が今春、ヨネックスでチームメートに。【貝瀬×吉田】対談の第3回は、高校時代のエピソードから始まり、いよいよ『高校で勝つために必要なこと』の核心へ。

貝瀬ほのか(ヨネックス1年目)
かいせ・ほのか 1998年4月11日生まれ。新潟県出身。身長159.6cm、左利き、後衛。見附市スポ少(小1)→見附西中→和歌山信愛高→ヨネックス。2017年ナショナルチーム
高校時代の主な戦績◎インハイ個人3位&団体5位(2014)、全日本高校選抜優勝(2015)、インハイ団体優勝(2015)、国体優勝(2015)、全日本高校選抜2位(2016)、ハイジャパ単優勝(2016)、インハイ個人3位&団体2位(2016)
吉田栞里(ヨネックス1年目)
よしだ・しおり 1998年5月31日生まれ。大阪府出身。身長166cm、右利き、前衛。岸和田ジュニア(小1)→昇陽中→昇陽高→ヨネックス。2017年全日本U-20チーム
高校時代の主な戦績◎インハイ団体3位(2014)、ジュニアジャパンカップU-17単優勝(2014)、ジュニアジャパンカップU-17複優勝(2015)、インハイ団体3位(2015)
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頼れる同期であり、インタビュー中も絶妙な掛け合いを見せる貝瀬(左)と吉田(右)

何のためにテニスをやっているのかを意識

――貝瀬選手は高2で地元・和歌山国体を経験(優勝)。強化の中でいろいろなことを吸収できたのでは?

貝瀬 高1の後半くらいから雁行陣になったのですが、そのタイミングで上からのサービスに取り組みました。信愛はチームとしてもサービスにも力を入れていますし、またフットワークに関しても重点を置いて練習してきました。

技術以外にも、監督の林(三千夫)先生から『何のためにテニスをやっているのか?→人のため、みんなが喜ぶため、自分がやる』という意識を植え付けられました。そういう経験がとても大きかったと思います。

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高2の地元・和歌山国体。貝瀬はインターハイに続き、優勝を決める勝利を挙げた

――吉田選手の高校時代は?

吉田 私が高1のときは、2歳上の姉(侑乃)やジュニア時代からの先輩もいて、みんなが1年の私のことを支えてくれました。翌年は、2年では私だけがレギュラーで。自分も引っ張っていかなければいけないなと思っていましたが、先輩たちが「もっと頼っていいよ」と言ってくれて、そこで団結力ができたと思います。

アンダーの合宿でも、刺激をもらえました。学校に帰ると、「球が速くなった」と言われて。特に、身体の使い方については、「手だけではなく、身体全体を使って地面からの力を活用する」とか、とても勉強になりましたね。また、トレーニングやストレッチ、食事面についてなど、多くのことを学びました。

――多くを吸収した高校時代を経て、今春、ヨネックスへ。

貝瀬 同期2人でやっていけるのは心強いですね。

――吉田選手は、大阪から初めて離れました。

吉田 高校進学時も一瞬、大阪を出ることも考えましたが、大阪で頑張ろうと。でも、高校卒業を控え、高校までで力を出し切れていないという気持ちもあって。より強いチームで頑張っていきたいと思い、ヨネックスへ。

――新社会人となって、今後の抱負は?

貝瀬 私の夢は国際大会、特にアジア競技大会に出場して優勝することです。その目標は、これまでもこれからも変わらず。どんなに苦しくても、あきらめず、目指していきたいです!

吉田 先頭に立って戦える、勝てる選手になりたいです! ボールを触らずとも、相手の気になるような存在になって、自分が主導権を握っていきたいですね。

貝瀬 吉田はカウントとか関係なく、なんだかつかめないんだよね。

吉田 感情出さないように意識はしている。試合中、集中すると笑えなくなるし。小学生の頃から、「もっと笑え!」って、コーチに言われてきた(笑)。

挑戦する気持ちで皇后杯Vペアに勝利

――社会人として、第一歩を踏み出した2人に、連載のテーマ「勝つために必要なこと」を3つずつ挙げていただきました。

貝瀬 私の1つ目は『「負けたくない」気持ちを強く持つ』です。私自身、“負けたくないと思えない”ときもあって、そういうときって負けがちなんです。負けたくないと思えなければ、その試合の意味もなくなってしまう。

高1のときは、「負けたくない」という気持ちが薄かった気がします。2~3年になるにつれ、負けたくない気持ちが出てきた。そういう気持ちはつくるものではなく、出てくるものだということも分かりました。

高3のインハイ、団体決勝で、G1-3の1-3からファイナルまで戻したことがありました。結果的には敗れましたが、「負けたくない」気持ちを強く持ったからだと思います。

――吉田選手の1つ目。

吉田 『挑戦する』です。向かっていく方が強いとよく言われますよね。私は、試合をする前に課題を持って、自分の限界に挑むことを大切にしたいと思っています。それがうまくできたとき、いいプレーができたりします。

高3の最後に、全日本インドアに出場したのですが、全員が年上で、大人と対戦しなければいけない中、「課題を持って、強い選手たちに挑戦していこう」とペアと話して臨み、とてもいい感じにプレーできたんです。トーナメントには進出できませんでしたが、全日本選手権Vペアから白星ゲットすることができました。

あああ

2017年1月の全日本インドア、「挑戦する」気持ちで梶尾明日香/吉田栞里(右)は皇后杯優勝の志牟田智美/地中葵 をファイナルで破った

貝瀬ほのかの勝つために必要な3つのこと
「負けたくない」という気持ちを強く持つ
試合では平常心で。向かっていく
上から目線で試合に入る←巻き込む
努力をする(トレーニング、
日常生活…)
吉田栞里の勝つために必要な3つのこと
挑戦する
考えることをやめない
あきらめない

貝瀬ほのか×吉田栞里対談INDEX

#01 貝瀬の第一印象は打ち方がすごい。対戦できるのがうれしかった
#02 勝敗を左右するのは細部。高校では細かいところまで意識するのが大事と教わった
#03  試合では課題を持ち、自分の限界に挑む。うまくいくと、いいプレーができる
#04 6月20日公開予定

取材・構成◎八木陽子 インタビュー写真◎山口高明 プレー写真◎井出秀人(インターハイ)、川口洋邦(インターハイ、国体)、江見洋子(全日本インドア)