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2017.09.29

【林田リコ&宮下こころ】頭が真っ白になった選抜での敗戦「ひとりじゃなくて、2人で背負う」Vol.1

WEB連載◎インハイ団体&個人連覇・文大杉並高V2ペア対談

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7月のインターハイで団体個人連覇の偉業を成し遂げた文大杉並高。最高学年のエースペアとして連覇チームを牽引した個人V2の林田リコ/宮下こころの対談インタビューを5回にわたって掲載!

リコ&こころ対談の第1回は、春の全日本高校選抜の話から。高2で高校3冠(選抜、インハイ団体個人、国体)を果たした2人。2017年3月、林田がキャプテンとして臨んだ選抜では16強に終わった。「頭が真っ白になった」という敗戦を経験し、2人が取り組み始めたこととは?

林田リコ(文大杉並高3年)
はやしだ・りこ◎1999年9月27日生まれ。東京都出身。身長165cm、右利き、後衛。向原ジュニア(小3)→杉戸広島中。2017年ナショナルチーム。

宮下こころ(文大杉並高3年)
みやした・こころ◎2000年2月22日生まれ。石川県出身。身長162cm、右利き、前衛。とりやクラブ(小2)→中能登中。2017年全日本U-17。

選抜前に…フォアが打てなくなった(リコ)

――今年のインハイでは、2年連続2冠、それも個人では史上2組目の同ペアでの2連覇。歴史をつくりましたね。昨夏から今季のインハイまでの道のりはどういうものだったのでしょうか。

林田 苦しかった…です。私たち2人で組んで、2月のアゼリアカップに負けて。その後の選抜のことを考えると不安で。

宮下 チームとしても、昨年3冠をとったあとのシーズンでしたし。昨年のチームとは技術的にも差がありました。宮下(真緒・姉)/上田(理央)という大将ペアがいて、あんなふうに頼りがいのあるペアに私たちもなれるかどうか。

林田 今季の選抜では、私たち2人はペアを分けて臨みました。だから、2人それぞれのペアが勝たないといけないという使命もあったんです。

宮下 2人でいろいろ相談したよね。林田はキャプテンになったばかりだったし、自分のこと+チームのことを考えなくてはいけなかったから、大変そうだった。

林田 そうだった…何とかしないといけないと、とにかく焦っていたよね。余裕がなかった。チームを盛り上げないと、意識を上げないと…ってね。

宮下 周りが行動が遅かったりすると、愚痴も漏らしていたね(苦笑)。

林田 申し訳ない(苦笑)。今だから言えるんですけど、フォアが打てなくなったり、片側だけ首が向けられなくなったり。大会前日に熱が出たり。いろんなことに焦りがあったんだよね。インフルエンザにもかかった。

宮下 林田は何でもこなしてしまうすごい選手なんです。その林田を助けるためにも、チームとしてきちんとやらなければと思っていました。だけど、昨季レギュラーだったのは、私たち2人だけ。チーム全体に伝えることは本当に難しかったよね。

選抜で負けたあとからノートを出し始めた(こころ)

――そういう中で今季の選抜を迎えたんですね。

宮下 選抜で、私のペアはG3-0の3-1から逆転されちゃったんです。あの明豊(3回戦)戦、人生で一番悔しい試合でした。

2017年3月、連覇をかけて臨んだ高校選抜で16強に終わり、退場する文大杉並高メンバー

林田 選抜に負けて頭が真っ白になりました。伝統をつなげられないと。それで、武元先生(望美コーチ)にテニスノートを2人で毎日出すようになったんです。

宮下 林田は新しい代になってから毎日出していたのですが、私は選抜で負けたあとから。

林田 そのときから、ひとりじゃなくて、2人で背負うっていう気持ちになりました。それまでひとりで何でもしなくちゃと空回りしてしまった部分もあったので。武元先生にも言われました。「周りのことを気にして、自分のことに集中できないというのは言い訳」だと。1つ上の上田先輩もキャプテンをしながら全国優勝もしたわけで、私も宮下や先生たちと話をしていくうちに、4月くらいから考え方も変わってきました。すっきりしたというか。

宮下 武元先生は、夏に向けて、「(団体・個人2連覇は)林田/宮下にしかできない挑戦」だと。

林田 4月の女子選抜はインドアで、さえなくて、早い段階で負けたんです。その日、私たち2人と武元先生といろんな試合を見ながら、夏に向けてのことなど、いろいろなことを話すことができたよね。それで、武元先生が「明日お休みだから、神田明神に行って来な」って言われて(笑)。2人で行ってきたんです。

宮下 そのときに自分たちの分と先生分のお守りを買ったんですけど、そのときのお守りはいつもつけています。

林田 そうそう、お守りを渡したあと、武元先生からもメッセージをいただいたんですよ。「今年、林田/宮下を2連覇させます」ってテニスノートに書いて戻してくれたんです。

「林田リコ&宮下こころ対談」
Vol.1頭が真っ白になった選抜での敗戦「ひとりじゃなくて、2人で背負う」
Vol.2インハイ個人決勝を前に林田の足に異変「これで棄権したら人生終わり」だと…
Vol.3インハイ連覇への道「サービス&レシーブをしっかり」「男子の映像で勉強」
Vol.4ペア結成のきっかけは氷のう「リコちゃんと日本一になりたい! 一緒に文大に行かない?」
Vol.5日本一高校生はK-POPと大谷翔平が好き「男子だったら甲子園に行きたかった」

取材・構成◎八木陽子 写真◎阿部卓功、川口洋邦(高校選抜)