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2018.03.10

【第7回タイオープン】ワタキューセイモア6選手の見たアジアの今

第7回タイオープン◎2/22~25タイ・ナコーンラーチャシーマー、スラナリー工科大学

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参加したワタキューセイモアの選手たち。前列左から小松﨑梨代、坂本唯、横田真央、後列左から澤田雪穂、七尾美咲、松本英里佳、右が古賀俊彦監督

 2月22日~25日まで、タイ東北地方最大の都市にしてその玄関口に位置するナコーンラーチャシーマーのスラナリー工科大学にて、「第7回タイオープン」が開催された。地元タイを含め、台湾、インドネシア、中国、モンゴル、カンボジア、日本(日本代表、ナガセケンコー、東邦ガス、ワタキューセイモア、K-Children)と計7か国、200人ほどが参加。現地特有の湿気と気温に悩まされながらも、ナイター照明も完備した7面のハードコートでは随所に好プレーが見られた。今大会に参加したワタキューセイモア6選手にそれぞれの感じたアジアのソフトテニスを振り返ってもらった。

 

硬式テニスのようなシングルス

 シングルスは男子がデビスカップ経験者も出場したインドネシア同士、女子は中国同士が優勝を争った。「男子決勝は、まるで硬式テニスを見ているかのようなスピード感と多彩なテンポとショットの使い分けで、とてもレベルの高い試合。女子も優勝したYU Yuan Yi選手の手足の長さを活かし、ベースラインから下がらず打ち分けるライジングショット、両手バックハンドとフットワークの良さも印象に残りました。特にハードコートでは、硬式のような両手打ちのバックハンドとライジンング、フットワークが武器となります」と七尾美咲選手は話す。

 また、阪本唯選手も次のように感じたと言う。「YU Yuan Yi選手は60パーセントから70パーセントの力で、ここぞという時に決めにいくと聞きました。ソフトテニスも、硬式テニスのようなシングルスのプレースタイルを学ぶべきだと強く感じました」。

 

日本代表は、中川瑞貴がミックスと女子ダブルスの2冠

 日本はまずミックスダブルスで日本代表の中川瑞貴/安藤圭祐が優勝。さらに女子ダブルスでは中川瑞貴/芝崎百香が優勝。中国とのレベルの高い決勝戦では中川が持ち前のシュートを生かし、甘くなったボールを芝崎が的確に決めるという2人で1本のテニスを垣間見た。また、男子ダブルスでは本倉健太郎/安藤圭祐が3位に入った。そして、最終日の女子団体戦はワタキューセイモア単独チームが決勝で中国に敗れたが準優勝を果たした。

 澤田雪穂選手によれば、「硬式テニスからソフトテニスに転向する人が多いため、シングルスの戦い方がとても上手だと感じました。バックハンドを裏面で打ったり、ベースラインから離れないでラリーをするためテンポを崩され、戦いづらかったです」。松本英里佳選手も同様のことを感じたという。「他国の技術向上やこれまでの海外選手のイメージを覆すような硬式テニスを取り入れた型にはまらないプレースタイルに驚きを感じました。まだまだ日本の方が勝っている部分は多いですが油断はできません。同時に、ソフトテニスの楽しさを感じ、和気あいあいとしてプレーしている姿も見られ、技術向上だけでなく、より多くの人がソフトテニスに興味を持ち、楽しさを感じてほしいと願います。そして少しでもオリンピック競技なるようお役に立てればと思います」。

 そして、小松﨑梨代選手は、「ソフトテニスに力を入れている国が増えている印象ですが、もっと普及していければ」と感じている。そして、横田真央選手は、「これだけ世界で行われ、発展しているところにソフトテニスの可能性を感じることができました。タイ連盟の方々に感謝をして、さらなる発展を願います」。

 今年8月下旬のアジア競技大会はインドネシアのパレンバンで行われる。気候もそうだが、アジアのさまざまなスタイルに触れたことは、選手たちにとって大きな機会だった。

写真提供◎ワタキューセイモア 文◎ソフトテニス・マガジン編集部