【インハイ】1日目最大のアップセット! 今治北(愛媛)の菊川/山岡「思いきり振ろう、としか言っていなかった」
女子1日目個人戦:インターハイ2018◎7/30-8/6三重県・三重交通Gスポーツの杜鈴鹿庭球場
7月30日(月)から8月6日(月)にかけて、ソフトテニスのインターハイが三重県鈴鹿市で開催されている。31日は女子312組がエントリーした個人戦の3回戦までが行われ、64強が出そろった。8月1日には2018年の個人戦チャンピオンが決まる。
マッチをしのいでファイナル勝利
8時30分から1回戦が始まり、全試合終了が19時過ぎという長い戦いとなった個人戦1日目。その中で最大のアップセット(=番狂わせ)となったのが2回戦、今治北(愛媛)の菊川真利菜/山岡小粋が、地元・三重高(三重)の大将、竹田真樹/藤城みちるをファイナルの末に下した一戦だった。
1回戦で榎元優月/宮脇優璃(鹿児島・鹿児島実)にファイナル勝利を収めた菊川/山岡は、竹田/藤城との2回戦でも、G2-3とリードされて迎えた第6Gでマッチを握られたものの、しのいでファイナルへ。ここでは2人とも思いきりの良いショットを連発し、最後は⑦―4で振り切った。
ただ、続く3回戦では塩路千裕/塩路ほのか(和歌山・和歌山信愛)に苦戦。G2-2からの第5Gをリードしながらも落としたのが響き、G2-④で競り負けて敗退となった。敗退の悔しさと同時に、インハイという大舞台で強敵から勝利をもぎ取った充実感も漂わせていた2人に試合後、話を聞いた。
「チャレンジ精神で」(菊川)
――2回戦は竹田/藤城との対戦でした。
菊川 格上の相手だったので、向かっていく気持ちがないと勝てない。それは分かっていたので、チャレンジ精神を絶対に忘れないように、と思っていました。
山岡 いつも全国で上まで勝ち上がっている竹田さんたちと比べたら、私たちは技術は高くない。でも、(3年生で)最後のインハイなので、悔いが残らないように決めたことをやって、笑って終われたらと思っていました。
――第6Gではマッチを握られました。
菊川 マッチとか、考えてなかったよね?
山岡 うん。ラケットを振っていこう、って。
菊川 「思いきり振ろう」としか言っていませんでした。速いボールに負けることもたくさんあったんですけど、「振るっ!」っていう感じで、思いきりやろうと話していました。
――今日の3試合を振り返って。
山岡 最初からファイナルで、2回戦もファイナルで、しんどかったんです。でも、1年生から負けてきて、インハイに行けなくて悔しい思いをしてきたので、しんどい思いをしてでも、絶対に最後までやりきって、いつも応援してくれている方々に、頑張ってきたことを見せられるように、と思って頑張りました。
――愛媛の他校の出場選手も応援していました。
菊川 うれしかったです。最後の大会でしたけど、悔いは残っていません。3回戦は負けてしまいましたが、みんなに頑張っている姿を少しは見せられたかな、と思います。
――最初で最後のインハイ個人戦、どうでしたか?
山岡 去年は県予選で、ここで勝ったらインハイ、というところで負けました。そのときは勝ちたいという思いが強過ぎて、全然ダメでしたけど、今年はその経験があったので、予選から思いきってやることができました。インハイでもすごく良い試合ができてよかったです。
菊川 1年生のときに右手を骨折して、何か月かプレーできず、全然打てなくなって、周りに迷惑をかけてしまいました。インハイでこんな試合ができるとは思っていなかったけど、そういう試合ができて、少し恩返しができたのかな、と思います。
写真・取材・文◎石倉利英