ソフトテニスとカーリングの『二刀流』で全国大会へ、中里望心の挑戦「チーム力とメンタルが鍛えられて、どちらにも生きている」
第35回都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス大会◎3/27-28 三重県伊勢市・伊勢市市営庭球場(個人戦)/三重県営サンアリーナ、三重交通G スポーツの杜 伊勢 体育館(団体戦)
全国の中学生が三重県伊勢市に集まり、男女の団体戦と個人戦(シングルスとダブルス)で日本一を争う『第35回都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス大会』が、3月27日と28日に行われた。この大会に出場した中里望心(岩手・軽米中)は、ソフトテニスとカーリングの『二刀流』に挑戦中。それぞれの競技の特性をつなぎ合わせながら、さらなる成長を期している。
28日に行われた個人戦にシングルスで出場した中里は、1回戦で長野県の選手と対戦し、力強いフォアのストロークや効果的なツイストなどで押し気味に進めて、G③-1で勝利。埼玉県の選手と対戦した2回戦も先行したものの、ファイナルの末にG2-③で競り負けて敗退となった。
「1回戦は自分のペースでプレーすることができました。でも2回戦は試合が進むにつれてファーストサービスが入らなくなり、苦しい展開になってしまった」と振り返る。都道府県全中は今回が初出場で、前日の団体戦は1回戦敗退。「団体戦では課題が明確に出ました。シングルスで試合に出るのは、ほぼ初めてでしたが、得意なコースや好きなボールを打つことができたのがよかった。でも、そのぶん団体戦と同じような課題も残ったので、もっと練習していきたい」と今後を見据えた。
母と親戚が経験者だったのがきっかけで、ソフトテニスを始めたのが小学1年生の冬。一方、それより前の4歳ごろから、趣味でカーリングを楽しむ父と一緒にリンクに通っていた。リンクで仲良くなった友人から「一緒に試合に出てみない? と誘われて」本格的に競技を始めたのは小学4年生のとき。ソフトテニスとの『二刀流』を始めて、今年度で6年目を迎えた。
カーリングでは日本一に輝いている。2022年に開催された『第1回 全農 全日本中学生カーリング選手権大会』で、いわてCAの一員として見事に優勝した。その後も『二刀流』を続け、今回の都道府県全中の前にも、北海道で開催された『第32回日本ジュニアカーリング選手権大会』に、luminous(ルミナス)の一員として出場。そのまま伊勢市に来ており、「春休みに入ってから、ずっと遠征です」と笑った。
4人1組で戦うカーリングでは、最初にストーンを投げる『リード』を任されている。「カーリングは、チーム力がとても大切なスポーツ。ソフトテニスも団体戦では、よりチーム力が必要なので、どちらも積極的にコミュニケーションを取るようにしている」と語り、「ソフトテニスは、シングルスだと特にメンタルが大事で、カーリングもメンタルが重要。それぞれで鍛えられて、どちらにも生きている」との相乗効果もあるという。
ただ、3年生になった今年度で『二刀流』は一区切り。「高校ではソフトテニス一本に絞って活動していくと決めている」といい、中学最後の年は両方で結果を残すべく燃えている。カーリングの目標は、昨年は3位だった全日本中学生選手権での王座奪還。ソフトテニスは軽米中で、団体戦と個人戦での全日本中学生大会(全中)出場を目指す。
「団体戦も個人戦も、全中には出場したことがありません。団体戦は学校全体の目標で、個人戦でも全国大会に行きたい。それまでソフトテニスもカーリングも、どちらも練習を怠らずに頑張りたいです」
ソフトテニスとカーリング、操るアイテムは違っても、それぞれの目標に向けて日々努力を重ねていく決意は変わらない。