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2016.12.30

【WEB連載】船水颯人『JKTへの道』#01 国際大会初の個人戦金メダルに「興奮しすぎました(笑)」

船水颯人インタビュー連載 オフの過ごし方~アジア選手権ミックスを振り返る

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「もう先のことしか見ていません」

ミックス、ダブルス、国別対抗で金メダルを獲得したアジア選手権を終えて、つかの間のオフに入った12月某日、船水颯人は力強く語った。視線の先にあるのは、2年後の2018年にインドネシアのジャカルタで開催されるアジア競技大会。ソフトテニスに集中して取り組める大学4年間の集大成の年に、ソフトテニス界で最も権威があると言われているアジア競技大会が行われることを、運命的に感じている。

ソフトテニスマガジン・ポータルでは、船水颯人の2018年ジャカルタ(JKT)アジア競技大会に向けた取り組みをインタビュー連載で追っていく。船水颯人『JKTへの道』第1回は、オフの過ごし方~アジア選手権のミックスダブルスについて。

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ひばりが丘の二郎「ひばじ」は、二郎全店舗の中でもトップクラスの味と船水選手。31のフレーバーはキャラメルチョコレートクランチが定番

船水颯人/ふねみず・はやと 1997年1月24日生まれ、20歳。青森県出身。身長170㎝、右利き、後衛。黒石烏城クラブ(小1)→黒石中→東北高→早稲田大3年

胸キュン映画が好きです(笑)

――2016年が終わります。年末年始は、つかの間のオフですか?

はい。ゆっくりと休もうと思っています。テニスから離れて、ラケットも持たずにのんびりするつもりです。シーズン中は毎週のように試合があり、身体も心も疲れてしまので、オフに息抜きしないと、正直、身体も心も持ちません。切り替えは大事だと思います。

――オフの息抜きは何をするのですか?

服が好きなのでショッピングに出かけたり、胸がキュンとするような映画を観に行ったりします(笑)。最近だと『君の名は。』とか。ドラマは『逃げ恥』を観てました。そして、お腹が減れば、ラーメンですね。大好きなんですよ。お気に入りは、ひばりが丘(西武池袋線ひばりヶ丘駅)の『ラーメン二郎』。実はアジア選手権前にも、精神的に疲れていたので、どうしても気持ちをすっきりさせたくて行ったんです(笑)。普段の大会前はカロリーも高いので避けてるんですけど、あのときは特別で……。後輩の内本(隆文)に「行くぞ」と誘って、一緒に行きました。早稲田の軟式庭球部には「二郎通」が結構いて、2、3人で連れ立って行くこともあります。
ただ、オフにあれを食べると、太るのでしばらく「二郎断ち」するつもりです。「二郎」の後にサーティーワンのアイスクリームを食べるのが最高なんですが、その組み合わせは太りますよね(笑)。

会場全体が応援してくれるのを感じた

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「誰とペアを組んでも抵抗ないタイプ」。ミックスの試合中も早稲田大の先輩である佐々木聖花とコミュニケーションを取り、Vにつなげた

――気持ちよくオフに入れるのも2016年の締めくくりが良かったからでしょうか。アジア選手権(11/16-20)を振り返ると、ミックスダブルス、ダブルス、国別対抗で金メダルを獲得しました。ミックスダブルスではペアの佐々木(聖花)選手は「2回戦がキツかった」と言っていましたが……。

ミックスで試合慣れしないうちに、韓国(キム・ボフン/ハン・ウリ)が相手でしたから。佐々木さんとミックスで練習する時間が少なかったですし、すぐに息を合わせるのが難しかったですが、ゲームをこなすうちに合ってきたと思います。佐々木さんは先輩ですが、初めての国際大会だったので、なるべく僕から声を掛けるようにしていました。僕は2度目の国際大会でしたから。
わざと間合いを取るようにして、ポイント間で意識して話すようにしたりとか。相手はポイントが欲しくなると、女子選手の方を狙ってきます。その大事な場面で佐々木さんがしっかり止めてくれたのは大きかったですね。

――同じく韓国が相手(キム・ボムジュン/キム・ジヨン)となった決勝ではG0-3とリードされました。

ヤバイと思いましたね。ただ、内容は一方的にやられていたわけではなかったので、どこで1ゲームでも取れば、流れは変わると思っていました。追い込まれても、準備してきたものがあったので。打ち返す場所も徹底していました。迷いはなかったですよ。「ここを狙うと決めたら、とことんそこに打つ」という感じした。国際大会は独特の雰囲気があり、大事なところで迷いが生じやすくなり、ミスが起こりやすくなるものです。それも踏まえた上で、明確なプランを立て、ゲームに臨めたことが勝因だと思っています。

――ペアの佐々木選手とはあまり練習する機会もなかったと話していました。

代表合宿と、大学で練習は1回くらいしかできなかったのですが、僕は誰とペアを組んでも抵抗がないタイプなので。勝負のポイントは、僕自身が走ってどれだけ拾えるかどうかでした。今回は、それができたと思っています。もちろん、佐々木さんには感謝しています。流れを変える1本を決めてくれたり、大事な場面でポイントを取ってくれました。

――ミックスダブルスでは船水選手にとって国際大会初の個人戦金メダルでした。優勝が決まった瞬間はラケットが宙を飛びました。

興奮しすぎました(笑)。ラケットをフェンスにぶつけ、傷をつけてしまって。ふと、我に返ったときに「やっちまった……」と思いました。日本(千葉県千葉市蘇我のフクダ電子ヒルスコート)開催で多くの観客が詰めかけて、決勝の相手は韓国ペア。会場全体が応援してくれているのを感じました。正直、勝った瞬間はうれしさよりも、ほっとした気持ちが強かったですね。

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ミックスダブルス優勝の瞬間、宙を舞うラケット(赤丸)

2016年11月18日、ミックスダブルスを制し、国際大会個人戦で自身初となる金メダルを獲得、翌日は「1年間、最も準備を重ねてきた」というダブルス(/上松俊貴)に挑んだ。連載第2回(2017年1月6日公開予定)は、アジア選手権ダブルスを振り返る。

取材・構成◎杉園昌之 インタビュー写真◎阿部卓功 アジア選手権写真◎川口洋邦、福地和男